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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 272
    00:03
    // 母との時間 haha tono jikan //

    一区切りつけたアルベルトが、部屋の中に一歩足を踏み入れると、
    ダイニングには、ジョセフィーヌが待ち構えていて、
    彼がテーブルにつくと、すぐに飲み物が運ばれてくる。

    「母様、遅くなり申し訳ありません。」
    「良いのよ。何かと忙しいものね。」
    「ええ、そうですね。家族が揃っていないのを寂しい
    と思う時間さえ奪われるくらいに。」

    ハインリヒは、妻と子に伝えるべきことを言った後、
    社用の出張で邸を空けている。
    フランソワーズは、ミケールの地を立って、
    そのままレークノースウッドのシュクール家の主城に籠っている。

    「あなたが身を固めるまでの間、しばらくは共に過ごせる
    と思っていたのに……本当に、寂しいわね。」

    「それを言われると、辛いです。長く家族と共にあれなかったのは、
    自分の弱さと我儘で…」
    「あなたが悪いわけではないわ。母である私がわが子の傍を
    離れることが多かったから…」
    「母様。――母様は、持てる楽才を生かして、音楽を聴く者達に
    こころの花を、喜びを、笑顔を与えられています。僕達も、
    お二方の腕から奏でられる調べが大好きです、愛おしいです。――
    僕達は、ほんの少し寂しい思いをしたのかもしれませんが、
    あの日までは、フランと楽しくやってました。
    あれから、ずいぶん経ちましたね。」

    「ロックシティから、もう戻らないのじゃないかと思ったことも
    あったわ。見知らぬ土地で不自由ないかと、思っていてよ。」
    「あの頃の僕は、自分を見失って、周りが見えていなかった。
    アレクが面倒の全てを見てくれて、地域の顔の親父さんとも
    そこに居る人たちとも知り合えて、……不自由な想いなど…」
    「何もなかったわけないわ。」

    ふたりの想いが絡み合って、アルベルトは言葉に詰まる。
    今この時まで、このように話す機会に恵まれなかったから、
    夫にも娘にも遠慮することなく、個人対個人として話すのは。
    ジョセフィーヌは、そっと目頭を押さえた。


    「母様、給仕の者が困っていますよ。」
    母の気持ちを考えると、胸から込み上げる感情があった。
    けれど、あえて言葉にはしなかった。
    「ああ、ごめんなさい。――お願いするわ。」


    *
    温かいスープを、ゆっくりと咀嚼する。
    段々、こころが穏やかになって。

    「アレクは、どうしてるかしら?」
    「毎朝同じ時間に起きて、仕入れをして、ボブと料理の仕込み、
    店内の掃除、それから開店の準備を整えて――
    今頃は、店頭でお客様を迎えているんでしょうね、きっと。」
    「ピアノは、続けているのね?」
    「弾かない時期もあったらしいですが、お店に置かれたピアノを
    夜は演奏して、皆を楽しませているんでしょうね。
    数年前の婚約時の訪問の時まで、
    あのような曲もレパートリーにあるのだとは知りませんでしたよ。
    僕が聴けるチャンスも少なかったですが。」

    「そうなの?学生の頃は、あんな感じの曲ばかり……でも、
    どこがどうとは言えないけれど、雰囲気が変わったかもしれないわね。
    私達の前だから、意識していたのかしら?」
    「もしかしたら、人々のこころに飾りのないロックシティの風土の
    せいかもしれませんね。――僕の知っているアレクは、
    兄のようで、時には父のようで、心根が温かく、
    誰彼と分け隔てがない、気さくな良い人だから。」

    「アレクは、ハインツが嫌いなのよ。もう私を見る時の目と
    彼を見る目、まるで違うわ。私にだけ優しくしようとするから、
    ハインツは怒って、アレクを苛めるのだわ。」
    「母様は、アレクのことどう思ってらっしゃるのですか?」
    「私にとって気の置けない大切な従弟よ。そろそろ年も年なんだから
    おじ様おば様を安心させて欲しいわ。知り合う機会も多いだろうから
    良い人が居ても不思議じゃないのに。」
    「……母様は、本気でそう思われているんですね。」


    「そうよ。話は変わるけれど、
    クリスティーヌは本当に連れて行かないつもり?」
    「仕事の流れが掴めて、住居面が解決すれば、
    ミケールに呼びたいと思ってます。今のところ
    配属期間が不明ですから、早くこちらに戻れるようでしたら、
    この地で伴に暮らしたいという希望は持ってます。」
    「どんなに忙しくても、ちゃんと連絡取らないといけないわよ。」
    「はい。母様は、心配性ですね。会う度に同じことを言われて。」
    「女性はね、男性とは、安心の拠り所が違うのよ。
    だから、いつも忘れないでいて。」


    --------------
    <ツブや記>

    登場人物>>
     アルベルト・シュクール … 愛称アル、ニコ
     ジョセフィーヌ・シュクール … 愛称ジョー
     給仕

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      | 2011.05.24 Tuesday |   ・// N // | comments(0) |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |
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