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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 270
    00:01
    // 共演の顔 kyouen no kao //

    1.

    15:40。
    休憩が終わり、協力者は再び着席して待っていた。

    「皆様、アンケートのご協力ありがとうございました。
    私達からの心づくしとして、
    ただいまより、ミニ・コンサートを始めます。
    最後まで聴いて帰ってください。」
    コンコルドは、マイクを置いた。


    ポロロロン・・・
    ゆったりとピアノの音が聴こえ始めた。
    奏者は、目を閉じ、盤上の指をゆっくりと這わせていた。
    こんなに大勢の前で演じるのは、久し振りだ。
    スエンセンは思っていた。




    その音に沿うように、かん高いフルートの音が重なる。
    ピピ ピピピ・・・
    まるで、小鳥のさえずりのようだ。
    そのやわらかな響きを奏でているのは、ダンテだった。

    その音に呼応するように、コンコルドが加わる。
    その音たちの狭間を、ルイスの弓が走る。


      *
     ここ数年のアン・ダンテは、
     教授となってからは、大衆の前で演じることは、なかった。
     どんな依頼が来ても、一蹴した。
     『私は、見世物ではない。』と。

     いかに才があろうが、その腕が披露されなければ、いずれ、
     彼女に天賦の才があったことも忘れさられたに違いない。

     彼女自身、こんな形で、
     スエンセンに恩返しするとは、思ってもいなかった。
     学生時代、彼女の性格をあるがままに受け入れてくれたのは、
     他でもない、スエンセン教授その人であった。
     どんなわがままを言おうと、付き合ってくれた。

     「今度、皆で演じるが。どうだね?」
      その初めてのスエンセンの誘いに、即答で、
     「私で良ければ。」と快諾したのだった。


     インターグレ・ミケールでの事実上の最後の演奏であった。
     この演奏会を機に、ダンテは休暇に入っしまった。
     一方的に、弟子にすべてを託した。
     その後、コンコルドが忙しくなるのにも、目を瞑ってしまった。
     それが予想できたことは、こころのうちに仕舞っておこう。
     ダンテは、そのことをラファエルにも告げないと決めた。

      *
     スエンセンも久方振りに、緊張していた。
     練習も音あわせも、限られた日程の中で必要なだけはやった。
     もともと、演じる方は、人並み程度でしかない。

     かつての学生であるハインリヒを受け持っていた時に、
     演奏者よりも指導する道を、音楽知識を探求すること、を選んだ。

     研究チームのメンバー達は、若く天才である。
     音域と弦を自在に操るルイス。
     難曲にも息が乱れぬコンコルド。
     幼児の頃から即興を得意とするアルベルト。
     奏者として、比べるという域ですらない。

     その彼らが、自分に合わせてくれる。
     当然、失敗は避けたい。


     出演前に手に滲んでいた汗も、今は嘘のようにひいている。
     演奏が、こんなに心地よいものだったとは――


      *
    今、この瞬間にこそ、音は生まれて、音が重なり、
    ひとつの作品として、聴衆の耳に届く。
    自分達の奏でる音は、人々の中に溶け込んでいく。

    会場の空気は、期待に張り詰めたものではなく、
    ゆるやかに、曲のもつ味へと変えられていった。


    **
    2.
    「師弟共演という趣向が、また素晴らしかった。」
    ハインリヒは、話に口を挟んだ。
    あの後、ダンテとコンコルド、ギャンティとルイス、
    スエンセンとアルベルトの演奏が続いたのだ。

    「父様、来ていらしたのですか?」
    「私が呼ばれないわけがあると思うか?」
    アルベルトの疑問も、
    研究のスポンサーであるハインリヒには通用しない。
    「私も感動しました。」
    ジョセフィーヌの言葉に、ただ驚いた。
    会場内で、面会した記憶もないからだ。

    「いい演奏会になったようですね。」
    セフィレーナが、それを受けた。
    「はい。会場は、拍手喝采で、凄いことになりました。」
    「パパやママにも、聴かせたかった。」
    アルベルトに、クリスティーヌ。
    「残念だった。休暇のある時であれば良かったが。」
    「今度は、おじさま、おばさまにも来て頂かないと
    いけませんわよ、お兄様。」
    トーマスに、フランソワーズ。

    「申し訳ありません。気が利かなくて。」
    「構わん。学業は、上手くいっているようだしな。」
    「あなたったら・・・」
    アルベルトにお構いなく、トーマス夫妻。

    *
    トーマスは、思っていた。
    シュクール一家に、音楽は切り離せないものだと。
    ハインリヒが拘り手放せないものの正体は、未だつかめない。
    が、音楽と家族に重きを置いているのはわかる。
    娘婿になるであろうアルベルトが、
    会社人として使いものになるのであろうか?
    今あるものを、変えて行くべきであろうか?
    ハインリヒの思惑が意味するものは、何か?
    この家との関わりのわずらわしさを感じずにはいられなかった。

    そんなことを考えていたら、ハインリヒと目線があった。

    「ハインツ。もう一杯、ティーをもらえるか?」
    「トマス、喜んで。すぐ温かいのを用意しよう。」


    --------------
    <ツブや記>
    実験&演奏、N261のあとが、やっと今です。(汗;
    詳しくできなかったのが、心残りですが。

    トマスとハインツの攻防がまだ続きそうです。

    登場人物>>
    1.
     ジュリアーノ・スエンセン
     アン・ダンテ
     ロマリオ・コンコルド
     アントニオ・ルイス
     協力者達

      *
    2.
     ハインリヒ・シュクール … 愛称ハインツ
     ジョセフィーヌ・シュクール … 愛称ジョー
     アルベルト・シュクール … 愛称アル、ニコ
     フランソワーズ・シュクール … 愛称フラン
     トーマス・リッチモンド … 愛称トマス
     セフィレーナ・リッチモンド … 愛称セレナ
     クリスティーヌ・リッチモンド … 愛称クリス

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      | 2011.02.22 Tuesday |   ・// N // | comments(0) |

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