↓↓↓ * ただ今応援中!!
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< May 2020 >>


遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




qrcode





 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
<< 「日記と言ふ名のつぶやき」 パソくんの反乱? | main | 「日記と言ふ名のつぶやき」 なんで??? >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています


0
    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 260
    00:01
    // 音に乗せよ oto ni noseyo //

    ダンテが、研究室に戻ってきた。

    「コンコルド。」
    「はい。ダンテ教授。」
    ダンテは、すぐさま状況を把握した。
    コンコルドの机上には、いくつもの書類が山と積まれていた。

    「暇そうだな。居てくれて、丁度良かった。話がある。」
    「何ですか?改まって。」
    コンコルドは、決して暇な状態ではなかったが。
    いつも一方的な物言いを良しとする
    ダンテが、普段と何かが違うと感じた。

    「良い報せだ。私はここを去ることにした。後は、お前に任せる。」
    「え?今何と?」
    さらりと言ってのけるダンテの言葉に、コンコルドは耳を疑った。
    「春からは、私の学生達をお前に任せる、異存はないだろう?」
    「急に、何をおしゃいます。何の悪い冗談なんですか。
    私をからかって面白いんですか。」

    「私は、真剣に話しておる。この話の後、教授連に話を持ってゆく。」
    何の感情も彼女は表さない。
    「春って…1年の途中じゃないですか。
    そんな急に話を進めないでください。」
    彼は高ぶる感情を押し殺して言った。

    「私が居ないほうが、君は楽になる。それでいいじゃないか。」
    彼女は書類の山を指差した。
    それらの全ては、彼女の仕事の資料だった。
    「嫌です。私をこの道に引き込んだのは、教授じゃないですか。」
    彼はそれを時間の掛かる事だと思っても、苦にしてはいなかった。
    たまたまフルートが良く吹けるだけの子供を、
    自分が教えるから来いと、大学部に推し、
    この楽器を手放せなくしたのは、彼女なのだ。

    「今更、惚れていると言われても、困るんだよ。」
    「惚れる惚れないの問題ではありません。」
    (都合が悪くなると話を逸らそうとするのは、
    悪い癖です。ダンテ先生。)
    それは、自分の立場を揺るがす出来事で。
    コンコルドは、絶対に引けなかった。

    ダンテは、ねじ伏せる事を諦めて、コンコルドを真正面から見た。
    「私は、決めたのだよ。
    もう、あの人の傍に寄り添う人生はやめると。
    だから、君も私の事は忘れてよい。」
    「訳が分かりません。教授。
    もっと私に分かるように説明してください。」


    **
    ダンテは、事情をコンコルドに伝えた。
    彼は、反対できる小さな力を手放すよりほかなかった。


    彼女は、赤い唇を弓なりにして微笑んだ。
    あの時のように…

    「さあ、ロマリオ。構えなさい。最後のレッスンだ。」
    彼の愛器を、そっと手渡した。
    彼は、それを持ち上げて、…
    歌口に唇を押し当てることができなかった。

    「こんな気持ちのまま、レッスンを受ける事はできません。」
    「平静でなくとも、演じなければならない時もある。
    今の君には、必要だ。
    嫌悪しながらも、私のレッスンを受け続けた君の
    本心を、魂を音に乗せるのだ、ロマリオ。」

    自分の気持ちを知っていたダンテの言葉に、
    コンコルドはぎょっとした。
    初めは、そういう気持ちがとても強かった。
    怖かった 怖かった 怖かった。

    ダンテの事をひとつも知らずにいたあの頃とは、もう違う。
    ダンテが、人々をぞんざいに扱うのは元来身についた性格で。
    近くに居る程に、彼女の内面を少しずつ理解できるようになった。


    フルートは、切ないメロディーを奏でた。
    知らず、彼の目から涙が零れる。
    (貴女も、別れが寂しいと想ってくださるのでしょう?)

    そこに重なるように、音が乗せられた。
    彼女の目は、彼をじっと見据えていた。
    (ロマリオ、泣くな。私の……)


    --------------
    <ツブや記>

    登場人物>>
     アン・ダンテ … 教員 コンコルドの師
     ロマリオ・コンコルド … 教員

    -----------------
    0
      | 2010.11.29 Monday |   ・// N // | comments(0) |

      スポンサーサイト

      0
        | 2020.02.06 Thursday | - | - |
        Comment