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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 247
    00:27
    // 繋いだ手、離さない tunaida te, hanasanai //

    スエンセンの研究室に取り残されたふたり。

    主が居ないというだけで、
    部屋の空気が、一気に冷めてしまった。
    嫌悪という訳ではない。
    互いの会話さえ無かった日々を、どうやって埋めれば良いか。

    アルベルトは、思考を巡らせていた。
    長い沈黙は、心を固くする。
    それだけは、どうあっても避けねばならない。


    決して、良い考えが浮かんだ訳では無かったが…

    「……クリス。」
    彼女の側に立ったアルベルトは、緊張で乾いた声を上げた。
    「…何…かしら?」
    「まだ…怒ってる?」
    彼は、悪い事をして叱られそうな子供みたいな目を向けた。

    クリスティーヌは、内心穏やかでは無い。
    向けられた視線を伏せ目がちに外した。
    それでも、自分から目を離さないで居る彼を感じ、
    続けられない言葉に耐え切れなくなって…

    「怒っていたわ。顔も見たくなかった。」
    真っ直ぐに見た顔は、悲しげに曇った。
    「ごめん。これからは、気を付けるから…」
    どちらに非があるということを問題にしたいのでは無い。
    その先は、もう言わせたくなかった。

    「私も、ごめんなさい。素直になれなかっただけ。」

    *
    冷えた空気が、ほんのり温かなものへと変化していく。
    独りで過ごす時間よりも、
    大切な恋人が隣に居る事の方が、
    それだけで良いと感じる程、とても重要で。
    あと、どの様に手を繋いで居られるか――
    その手を、離したくは無いのだ。

    控えめな瞳が、真っ直ぐに向けられた。
    「そう。なら僕の手を取ってくれるかい?」


    **
    「もう、お暇(いとま)するわね、ニコ。」
    時計を見上げて、彼女は言った。
    スエンセンが留守にしてから、
    随分話し込んだが、教授の戻る気配は一向に無い。
    クリスティーヌは立ち上がり、椅子を元あったように戻した。

    「待って、送るよ。」
    コートを羽織り、戸締りをして、入り口に不在の札を掛けた。
    スペア鍵は、内ポケットに仕舞い込んだ。

    *
    「お手をどうぞ、姫君。」
    クリスティーヌは、いいの?と視線で問う。
    アルベルトは、頷く。
    「僕らは、もっと近しい方が良い、と思わない?」
    彼女は、彼から差し出された手に自分の手をそっと重ねて、うふふと笑う。

    「このまま、君を攫(さら)って行きたい。」
    ドキッと跳ねる気持ちを抑えて、彼女はただ聴いていた。
    「ここには、自由な時の流れがあるというのに…」
    彼女は、ギュッと彼と繋いだ手に力を込めた。
    「僕は、馬鹿だ。本当に…」

    ふと、彼は歩みを止めた。

    「クリス、少し出ない?時間が遅いのは、分かっているけど…」
    彼女は、彼の唇にそっと人指し指を当てた。
    「夕食までに戻らないといけないわ。フランソワーズが心配するもの。」
    最もな意見に、二の句が彼は継げない。
    「でも、嬉しいの。ニコと、こうして居られる事が。
    森の入り口くらいなら行けそうじゃなくて。」

    時間的に言えば、それには無理があった。
    けれど、表に出る口実としては、有難いものだった。


    *
    寮の前を通り過ぎて、校門を出て、森へと続く道を進む。
    気温の下がりかけた戸外は、少し肌寒い。
    互いの手から伝わる熱が、じわじわと上ってくるのが判る。
    駅から続く一本道の道行き。

    「クリス――」
    クリスティーヌに声を掛け、
    人目を忍べそうな樹々の茂みの間に分け入って――
    アルベルトは、彼女の身体を引き寄せた。
    「ニコ?何?」
    彼は、優しく包み込み、彼女に頬寄せ、耳元で囁く。
    「少し、このままで…居させて…」


    --------------
    <ツブや記>

    登場人物>>
     アルベルト・シュクール … 愛称、ニコ
                   (特定の人のみ。通常、アル)
     クリスティーヌ・リッチモンド … 愛称、クリス

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      | 2010.09.25 Saturday |   ・// N // | - |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |