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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 246
    00:01
    // 転がる心 korogaru kokoro //

    「教授、遅くなりました。」
    アルベルトは、ノックの音とともに研究室に入ってきた。
    講義は予定通り。
    その後、少しクラスのやり取りがあったものだから、
    帰着予定時刻は、随分と回っていた。
    「待っていたよ、シュクール君。」
    スエンセンは、視線をアルベルトに向けた。

    ガタッ。
    誰かが、慌てて席を立った。

    「クリス…」
    アルベルトは、何か言おうと口を開いた。
    クリスティーヌは、目を伏せた。

    僅かばかりの沈黙が降りて、
    スエンセンは、それを破った。
    「リッチモンド君も、シュクール君も、お掛けなさい。」

    *
    「君もどうだね?」
    「はい、頂きます。」
    スエンセンは、ティーポットを持ち上げて、首を傾(かし)げた。
    そのポットをマグカップの前に置いた。
    「新しいのを淹れてくるから、待っておいで。」
    「教授。私もお手伝いしますわ。」
    クリスティーヌは、テーブル上のティーセット一切をトレーに乗せた。

    「では、僕も…」
    「君には、ピアノを頼む。」
    「はい。」
    アルベルトは、内心穏やかでは無かったが、
    日課の事なので、大人しく練習室へと。。

    スエンセンの指示に従い、
    盤上の音に狂いは無いか、確認作業に入った。
    耳慣れた楽器固有の音は、
    部屋の主を思わせるような、温かみを帯びていて、
    心が和んでいくのが判る。
    どの一音をとっても、微塵の狂いも無いように耳を澄ます。
    キータッチも滑らかで、申し分は無い。

    お決まりのアルペジオにも、少々飽きてきて、
    今、感じるままの音を、リストに乗せる。
    繊細で軽やかな明るい音は、
    重苦しかった気持ちを、払拭させていく。
    こうしてると、何だか、……

    *
    研究室の簡易のキッチン。
    スエンセンが、再びケトルに火を点けた。
    クリスティーヌは、下げてきた一切を洗い、拭きあげていく。

    「どうかな?」
    「えと、何でしょう?」
    ぼんやりしていたらしいクリスティーヌは、
    スエンセンの方を見上げた。
    「彼の音は、どうかな?」
    「もう、憎たらしいくらい、迷いがありません。」
    「狂って居ない。そうかな?……彼は、嫌がるだろうけど、
    この頃、ヘマばかりしてるよ。何があるのか知らないが。
    君の顔を見た途端にこれでは、私も理解に困る。」
    口で言うほどスエンセンは、困っている様には見えない。
    口元が笑っていたからだ。

    ケトルが、蒸気を上げた。
    熱湯を注ぎ入れ、マグカップを温めておく。

    「おや、何やら始めたようだね。」
    「ええ。」
    クリスティーヌは、ただ微笑んだ。

    *
    ふわりと花の香が漂った。

    センターにお茶菓子と、
    それそれの前に、マグカップを並べて、
    改めて席に着いた。

    「待たせたね。調子はどうだったかい?」
    スエンセンは、アルベルトに言った。
    「ブレは、許容内。まだ大丈夫です。」
    「そうかい。後のほうは…」
    「すみません。思いつきで。」
    「即興としては、悪くない。あの明るさは、良い。」
    「はい、有難うございます。」

    勧められ、
    マグカップを手に取ると、花の香が鼻を擽(くすぐ)る。

    「今日のティーは、ソフトな甘い香りがしますね。」
    「美味しいだろう。」
    滅多に見せない意味ありげな表情で、スエンセンは言った。
    「ええ。…」
    「彼女が、淹れてくれたんだよ。淹れた者の人格が出るのでしょうね。」
    「まあ、教授ったら。」
    「本当?美味しいよ、クリス。」
    「ありがとう、ニコ。」

    「シュクール君。私は所用があるから。留守を頼むよ。
    リッチモンド君、ごゆっくり。」
    スエンセンは、立ち上がった。
    コートを羽織り、ステッキを持って、ゆっくり歩き出した。


    --------------
    <ツブや記>


    登場人物>>
     アルベルト・シュクール
     クリスティーヌ・リッチモンド
     ジュリアーノ・スエンセン

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      | 2010.09.21 Tuesday |   ・// N // | - |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |