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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 231
    00:01
    // 送ります okurimasu //

    「間もなく、閉館します。退出していただけますか?」
    図書館員は、ひとりづつ丁寧に声を掛けて回った。
    静かだった館内に、ガサゴソと音がしだした。

    「すみません。まだ息子が中に――」
    「それは、困りましたね。どちらへ行かれますか?」
    「あ…、わからないです。」
    パドンは、閲覧先を聞いておくべきだったと悔いた。

    「ゴードンさん、来たみたいですよ。」
    ミュラーの指す方を見ると、ダニエルが歩いてくるのが見えた。
    「パパ。」
    「息子さん、見つかってよかったですね。」
    「すみません。お時間を取らせまして。――ダニエル、行くよ。」
    「うん。」
    「奥様も、良かったですね。」
    「…!?…」
    ミュラーは、言葉を無くした。
    と言って、弁解する理由も無く…
    「あ、ありがとうございました。」
    図書館員は、笑顔で送り出してくれた。

    *
    「すみません。ミュラー先生。」
    「いえ、ビックリしただけです。勘違いされちゃいましたね。」
    「はぁ。……」
    パドンは、二の句が告げなかった。
    少し気まずい空気が流れた。

    「僕、ママが欲しいな。」
    「これ、ダニエル。」
    「お母様が居なくて、寂しいのね?」
    ダニエルは、ミュラーの言葉に頷いた。
    「先生、手…繋いでいい?」
    「いいわよ。」
    ミュラーの差し出した手を、ダニエルは掴んだ。
    「パパも、繋ごう♪」
    パドンの返事も待たずに、ダニエルは手を絡めた。

    **
    外に出ると、日が傾きかけていた、
    図書館の壁に、オレンジ色を帯びた影を落として。
    来た時と同じ様に、歩いていた。

    ダニエルの機嫌の良い顔を横目に、パドンは言った。
    「ミュラー先生。何だか、すみません。お疲れにならないですか?」
    「いえ、いいんですのよ。ダニエル君のこんな表情が見れて
    嬉しいです。それに、手を繋いで歩くなんて、久し振りです。」
    「私もそうです。こうしてると、子供の頃の事を思い出します。
    ただの散歩でさえ、父と母の手を握っていると、
    とても幸せな気分でした。」
    ダニエルは、ふたりの顔を見比べた。
    ミュラーは、そっと頷いた。

    「長時間になって、すみません。日が暮れそうですね。」
    ミュラーは、詫びた。
    「お気になさらないで。私達も、たまにはこういう時間も
    あるといいと思っていましたので。
    こちらこそ、お邪魔でしたでしょう。」
    「そんな事は、ありませんわ。
    ゴードンさんは、とても博学でいらっしゃって、
    私も、見習わなければいけません。」
    「それは、買い被りです。先生と違って、
    私は、興味のある事だけですから。」
    パドンの表情は、こころなしか明るい。
    それを見ながら、ダニエルは微笑んだ。

    *
    ロックシティに上る坂は、なだらかに続き、
    ずっと歩いてきたせいか、少し汗ばんでいた。

    「ダニエル、疲れていないかい?」
    「僕は、大丈夫だよ。ミュラー先生は?」
    「私も、大丈夫ですよ。――
    でも、疲れきらないうちに帰りましょうか。」
    「はい、先生。」

    *
    「先生、有難うございました。また、あした。」
    「私こそ、有難う。今日は早く休んでね。
    では、学校で。明日、待ってます。」
    家の玄関口で、ダニエルは別れの挨拶を交わした。

    「ダニエル、少し留守してくれるかい。先生を送ってくるから。」
    「うん。いってらっしゃい。」
    パタンと戸が閉まる音を聴いて、ふたりは歩き出した。

    *
    パドンは、室内から持ち出した照明灯で辺りを照らした。
    ミュラーは、彼の隣を歩いていた。

    「すっかり遅くなって申し訳ありません。
    ご婦人と一緒なのに、配慮が足りなくて。――
    足元は、見えていますか?」
    「いえ、私もいけなかったです。ダニエル君の事も考えずに
    夢中になってしまって。――はい、見えます。」

    「図書館のお礼に、これから食事でもお誘いしたいところです。」
    「お気持ちだけ、頂いておきますね。
    今日は、早く戻ってあげてください。」
    「そうですか。では、次の機会に、お誘いしてもよろしいですか?」
    ミュラーは、困ったような顔をした。
    「無理にとは、申しません、」
    がっかりしたようなパドンの顔を見て、慌てて口を開いた。
    「彼も一緒なら…」
    「はい。息子も喜びます。有難うございます。」

    パドンは、学校の門まで、ミュラーを送り届けた。

    --------------
    <ツブや記>
    ダニエル:「パパ、どこまで僕を…」
    パドン:「えーっと、――申し訳ございません;;」
     という展開も、面白いんだろうケド。(笑)
    *
    ダニエル君も、手を繋ぐのは悪くない、
    と思ったことでしょう。(笑)
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      | 2010.07.09 Friday |   ・// N // | - |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |