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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 224
    00:07
    // もう帰るのか? mou kaerunoka ? //

    アレクセイは、着替えぬまま、階段を下りた。
    ダイニングテーブルの上に何かを置こうとしている
    ハインリヒの姿が、目に入った。

    「お前、何やってんだよ。」
    「朝食の用意をね。」

    ハインリヒは、セッティングする手を忙しく動かした。
    アレクセイは、信じられない事に、目を瞬いた。
    元貴族で、家でも外でも傅かれ、指示する立場の彼が、
    庶民の家で、食事の準備をしているのだ。
    目は、その動きに囚われていた。

    「アレク?――寝ぼけてるのかい?」
    「あ。あ、ああ。顔洗ってくる。」

    *
    「泊まったの?」
    「ああ。君が、好きにしろって言ったからね。――
    それに、今日は君の失踪記念の日でもあるし。10年――」
    「根に持っているのか?」
    「まあ、それなりにね。
    ジョーを悲しませた罰は、受けてもらわないとね。」

    「って!……ジョーが結婚して8年か。
    月日の経つのは、早いものだね。」
    「ああ。君と私の差が、ドンドン開くのも悪くない。」
    「惚気?それ以上言うな。」
    「はいはい。今日は、君が自立した日でもあるから、
    (目出度いし、)特別に腕を振るったよ。」

    「料理なんて出来たのか?
    君は、家に来ても、ただ座っているだけだったじゃないか。」
    「自分の砦では、誰も許してくれないからね。
    『旦那様、私の仕事を取らないでください。』
    なんて泣きつかれるのも困る。興味が有ったって、
    そうそう何でもやる訳には、いかないよ。
    アレクなら、そんな事言わないよね。――
    今日のこの日の為に、覚えてみたよ。興味深いね、料理も。」
    「気持ちは、嬉しいよ。ありがとう。――
    腕は、期待してないけど。」
    「俺が、不味い料理出すわけ無いだろ。
    本当、憎たらしい。ガキ。」
    「ハハ。お互い様だ。ハインツ。」

    「じゃ、食べようか。」
    ふたりは、席に着いた。


    *
    「じゃあ、またな。」
    「もう、帰るのか?」
    「用は、済んだ。それとも、何か土産でもある?」
    「あるわけないだろ。」
    「それも、そうだな。……ジョーに、伝言ないのか?」
    「そうだね。結婚8周年おめでとう、ジョー……。…。それでいい。」
    「控えめだな。ついでに、プレゼント貰って帰るよ。」
    「怖いな。」

    ハインリヒの有無を言わせない態度は、あの時と変わっていない。
    結局、彼の言いなりに、アレクセイは一筆書かされることになった。

    「感謝する。きっと彼女も喜んでくれるよ。君のこの…」
    「五月蝿い、早く帰れ!…っていうか、もう来るな。」

    アレクセイは、心がざわめくのに耐えられなくなった。
    自分の従姉の事が無ければ、関わりたくない相手だったから…


    ***
    パドンは、ミューズレイの朝市に来ていた。
    ロックシティからは、距離もあり
    そうそう買出しにいけないこともあって、
    フォレストの親父が声を掛けてくれると有難いのだが、
    自分から頼むのは迷惑だろうと思って、
    足の速い野菜などの買い足しに、時々やってくる。

    「やあ、パッド。今日は、何が入りようだい?」
    と気さくに声を掛けられ、そのテントを覗いた。


    「あら、パトリシアじゃなくて。」
    本来の名前を呼ばれ、パドンは振り返った。
    「奥様!?」
    そこに立っていたのは、シュクール夫人、ジョセフィーヌだった。
    「お久し振り。彼は――ダニエルは、お元気かしら?」
    「お久しゅうございます。ええ。ジョセフィーヌ様は、こちらへは?」
    「ハインツと待ち合わせなのよ。」
    彼女は、笑みを浮かべた。
    「ああ、それは、…」
    「フランも連れて来ているわ。
    お時間が許せば、訪ねて来てくださいね。」


    *
    「只今、戻りました。ダニエル様。」

    ダニエルは、自室に居た。
    机の椅子をクルッと返し、パドンが傍に来るのを待った。

    「お帰り、パドン。何か、あったの?」
    「買出しの途中、ジョセフィーヌ様に、バッタリと。」
    「そう。会ったんだ。」

    「あの、このメモを渡して欲しいと頼まれましたので。」
    パドンは、自分の懐をゴソゴソと触って、
    何やら取り出し、ダニエルに手渡した。
    「有難う。」
    ダニエルは、メモをさっと読んだ。
    「でも、行かないよ。」
    「はい、承知しました。」

    「それで、――元気そうだった?」
    ダニエルが気に掛けている人物は、パドンにも解った。
    「フランソワーズ様には、お会いしていません。」
    一瞬で、ダニエルは笑みを取り下げた。
    「そっか。なら、いいよ。行くつもりないし、静かにしておいて。」


    ダニエルには、パドンの気遣いが身に沁みた。
    フランソワーズと名を聞くだけで、心が揺れる。
    本当は、会いたい。
    自家に長く続く柵が有る限り、主従の関係は続く。
    そういったもので有るのならば、余計な感情を持つべきでない。
    と、頭では判っているのだ。

    ダニエルの苦悩する姿に、パドンは心を寄り添わせていた。
    その姿は、その実年齢よりはるかに年を取った人のようだった。
    主人の小さい頃から傍近くに居るパドンだからこそ、
    彼にそんな苦しい思いは、させたくなかった。
    子供らしくあって欲しかった。
    でも、それを口に上らせるわけにもいかなかった。
    余計な口出しは、慎まなければならない、
    今の自分は仮の親役――本当の父親ではないのだから…

    --------------
    <ツブや記>
    前半部分、「来るな」なんて言ってたけど、
    アレクが、ここまでストレートな気持ちを曝け出せる相手は、
    ハインツだけだったんじゃないか、と思われます。(笑)

    後半は、心に強く刻んだ想いに回帰するような形でしょうか。

    >>難読?
     自分でタイピングしておきながら、
     読めなかった。(アカンやん;;
      ・柵…しがらみ
      ・傅かれ…かしずかれ
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      | 2010.06.16 Wednesday |   ・// N // | - |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |