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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 216
    21:15
    // いい人 ii hito //

    「影を作るな。おい、やり難いじゃねぇか。」
    職人の手作業を見ていたパドンは、声が飛んでキョロキョロした。
    「だから、お前さんだよ。ゴードン。」
    職人頭のイザヤが、パドンに言い放った。
    「あ、私ですか?すみません、気が回らなくて。」
    「熱心に見ていてくれるのは、嫌じゃないけどな。
    ――今度のお客さんは、やたら五月蝿い。
    図案なんてものはよ、フツー職人に任せるもんだ。――
    昨日までの荒削りの段階じゃ、大したことないが、
    細工しなくちゃなんねぇからな。」

    「ぐちぐち何言ってんだ、イザヤ。
    お前程の腕がありゃ大したこともないだろう?」
    「ヘイ、親方。繊細なトコだから、静かに願いますよ。」
    親方のワイスが入って来たからには、
    イザヤは、手を止めているわけにもいかない、
    さっさと仕事に戻ろうとした。
    「何言ってんだ。さっきまで、コイツと話してたんじゃないか。」
    もう、イザヤの視線は石に向かっていた。
    「影作るなって、教えていただけでさ。」

    **
    イザヤは、顔を上げた。
    「お前さん、まだ居たのか?」

    イザヤの無骨な物言いに似合わず、
    繊細な彫刻でも作るように、
    僅かに振るわれる細かな彫刻刀の動き、
    をパドンは見ていたのだった。

    「親方の許可は、頂いていますよ。
    片すんなら、お手伝いしましょうか?」
    パドンは、作業台に近づいた。

    「道具には、触るな!」
    ふいの言葉に、パドンの手が止まった。
    どうしたら良いのかと、目線が集中して、
    気まずそうに、イザヤが言った。
    「あ、悪い。ゴミ屑の処理だけでいい。」
    「はい。了解です。」

    *
    「さっきは、大声出しちまって、悪かったな。」
    「いえ、良いんですよ。職人気質とかいうのでしょう?
    ――私は、他の方へ対するのと同じ態度で接してくださって、
    有難いです。」
    「お前、いつまでも何言ってんだ?
    同じ仕事…っていうか、同じ職場の仲間なんだから、遠慮すんな。
    ――それとも、引け目でもあんのか?」
    「いえ、そんな……あると言えば、あるのかもしれません。
    皆さんの仕事振りを見ていたら、自分は――」

    最後まで、イザヤは言わせなかった。
    「情けない、とでも言うのか?
    お前さんは、お前さんにしか出来ない事をやってるんだろう?」
    「勿論です。」
    「なら、、もっと自分に自信を持て。」

    **
    ワイスは、休憩を終えて、事務所に戻った。
    「ゴードン、待たせたな。」
    約束の時間より、少々帰りが遅くなった、
    という気持ちも込めての言葉だった。
    「親方、お帰りなさい。」
    その事を、いちいち詮索しない事にも、パドンを買っていた。

    「では、休憩に入ります。家に戻りますから。」
    「ああ。またか?
    お前さんも、つくづく心配性だな。」
    パドンは、複雑な表情をした。

    「行って来い。時間は、遅れても構わん。
    その代わり、仕事の上がりは遅くなるがな。」
    「出きるだけ、早…」
    「新しいの…貰えば良いのに。」
    ワイスの呟きが耳に入った。
    「えっ?」
    「こっちの話。いいから早く行け。」

    *
    「若いの。よくこんな辺鄙なとこ、やって来たな。
    さっさと、嫁さん貰えよ。退屈だろ?」
    イザヤは、言った。
    「あの、私。子供が居りますので…」

    「でも、独りなんだろ?――子供が居るなら、尚更――
    ひとりで留守番なんてさすなよ。可哀相だろ。
    愛人の一人くらい置いてやれよ。」
    「そんな事、言われても困ります。」
    「堅いな。冗談も言えねぇのか?
    そこは、そうですね、って笑っとけよ。
    ――そんなんだから、逃げられるんだぞ。」
    「………はぁ。」

    痛いところを突かれて――いや、違う!
     ( 俺は、まだ結婚すらしたことがない! )
     ( これは、旦那様や主人の命令で。 )
    パドンは、葛藤した。けれど、出たのは、溜息だった。

    *
    パドンは、ワイスの薦め(呟きだったけれど)に、
    先日のイザヤとの会話を思い起こしていた。
    本当は独身である彼には、謂れのない事であったけれど、
    置かれた立場上、仕方のない。
    でも、世間で言う結婚適齢には、遅くなりつつあった。

    やり場のない気持ちを抱いて、考えに沈んでいる場合ではない。
    パドンは、時計に目をやり、家路を急いだ。


    --------------
    <ツブや記>
    7章(章といっても仮の区切りだけど)書く前から
    温めている書きたいモノ幾つかがあって。
    1章の前に、時間的には遡る6章BとDの一部を除いて来る
    わけですが、その中身的には、足らないかと思って。

    やっと、書き慣れてきたんで。遅いけど。(笑)
    今、このダニエル君の流れの支流?みたいなのも、
    少し想ってます。

    *
    >>登場人物
     パトリシア・パドン … 24歳。訳有って、ゴードン姓を名乗る。
     ミシェル・ワイス … 職場(砕石所)の親方。実質の経営者。  
     レオナルド・イザヤ … 職場(砕石所)の石工芸職人。 

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      | 2010.05.24 Monday |   ・// N // | - |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |