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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 180
    22:19
    // パドンと仕事 Padn to sigoto //

    パドンは、事務机で仕事をするようになっていた。
    親方に留守を任されて、何の指導も受けず、
    手探りで、自分の位置を確保しなくてはならない。

    毎度毎度、早々に帰らされては
    給金もあまりもらえず、信用もされない、だろう。
    それでは、主人に無理を言って働く意味が無い。

    他の人に出来なくて、自分に向く事…

    **
    「ゴードン、上がってもいいぞ。」
    親方は、事務所に入ってすぐ、定位置に収まった。
    いつもなら「では、失礼します。」と言って事務所を後にするが、
    今日のパドンは違った。

    「あの、親方。」
    「後は、俺が居たらなんとかなる、気にするな。」
    遠慮していては、いつまで経っても状況変化は無い、
    と、パドンは続けた。
    「お話が。聞いていただけますか?」
    「なんだ?」

    *
    「お前って、ほんと失礼なヤツだな。」
    砕石所の親方のワイスは、言い放つ。
    パドンは身が縮まる思いで、ワイスを見た。
    互いに相手を凝視したまま、パドンは背筋が凍りそうであった。

    と、その時、不意に親方の口元が歪み、彼は笑い声を上げた。
    パドンは、どう反応して良いか分からず、その場に佇んだ。

    「自分の言いたい事ばかり、はっきり言いやがって。
    そうか、分かった。お前の真っ直ぐな目を信じて、任せてやるよ。
    この件に関して、キューレに文句は言わせない。が、逐一報告しろ。
    うちに迷惑掛けるようなら--わかってるよな?--この町に居られなくしてやるから。子供が居ようが居まいが、容赦しないぞ。」
    親方は大きな釘を、パドンに射す。
    パドンは、「はい。」と言って、自分の机に戻った。

    **
    「……。はい、旦那様。」
    パドンは、相手が電話を切るのを確かめ、受話器を置いた。

    *
    「何処からだ、ゴードン。」
    ワイスは、パドンが電話から手を離すと同時に、事務所に戻ってきた。
    「すみません、実家から…」
    ワイスは、パドンを睨み付けた。
    「まだ、休憩に入ってない--つうの。」
    「はい、申し訳ございません、親方。」

    「で、急用か?」
    「息子の事で--」
    「ご両親も心配だろうよ。奥さんに逃げられやがって、
    この甲斐性なし!--ところで、息子はもういいのか?」
    パドンは、額に冷汗を浮かべる。
    妻が逃げたなんて、言ったことすら無いのに。
    「あれからは、変わりなくやってます。」
    「変わりなく…。ちゃんと子供を構ってるか?
    お前さんは、母親の代わりでもあるんだから--。わかってんのか?!」
    片親だから心配だと、言われているみたいだった。
    「はい。」
    パドンは、視線を落とした。

    *
    頃合を見て、ワイスが口を開いた。
    「で、留守中、何かあったか。」
    「関係取引の連絡は、入りませんでした。」
    「で、どれくらい進んだ?」
    パドンは、ここ最近着手している仕事の話を始めた。
    「親方と補佐のメモを集めて、仕訳していますが、
    帳簿に計上するには、情報が不足しています。
    台帳を作成するのに、今少し時間を頂いてよろしいでしょうか?」
    パドンが並べ立てた言葉に、ワイスは片目をつぶった。
    「俺は--小難しい事は、キライなんだよ。お前さんに任せるから。」


    『事業の収支を明朗にすること。』それがパドンの持ち出した案件だった。収入を得るには時間が掛かる仕事場であること。また、事業の大きさや取引先に知らしめること、も大事な事業部分である、という知識をパドンは持っていた。

    **
    デスクの上は、ごちゃごちゃとしていて、
    --まるでゴミを重ねたような惨状だった。

    *
    「ゴードン、ちょっと来い。」
    事務所の戸口で、ワイスがパドンに声を掛ける。
    パドンは、机上にある大切な書類--と言っても、メモ紙ばかりだったが--を、大急ぎで引き出しの中に収め、その引き出しに鍵を掛ける。

    「どちらへ?」
    ワイスの隣を歩きながら、パドンは尋ねた。
    「石の切り出しに、一区切りがついた。
    これから作業場に入って、次の工程に移る。
    当面、皆が--前に見えるアレ--作業場の中に篭るから。」
    パドンは、真意がつかめずに居た。
    「お前さん、時々鈍いなぁ〜。」
    ワイスは、あきれたとばかりパドンを見た。
    「そこでだ。この職場が、どんなとこか、その目で見ておけ。
    俺たちの仕事を見るの初めてだろ。」


    ワイスは多くを語らないけれど、自分に親切にしてくれている
    のが、とても有難いと思っていた。この出来事でパドンは、
    やっと自分は、この場所の人間で居ていいのだと、
    仲間だと思ってもいいんだと、喜びが湧いてきた。

    親方の言葉に、目頭が熱くなって
    すぐに言葉を返す事が出来なくて、パドンは立ち止まった。
    別棟に向かって歩き出そうとしていたワイスに
    「おい、どうした?」と問われ、
    やっと、「はい、すぐ参ります。」と応えるパドンだった。

    --------------
    <ツブや記>
    親父に紹介された時に感じた疎外感が拭えずに居たパドンだった。
    旦那様と坊ちゃん、そして地域の人の間で心が揺れて、
    何もかも手探りで、心細くって、
    でも、それを誰にも打ち明けられなくて…

    会計的な事は、あまり突っ込まない方向で(笑)
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      | 2010.02.27 Saturday |   ・// N // | - |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |