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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 168
    20:23
    // 初登校 hatu toukou //

    「ダニエル、忘れ物はない?」
    家の戸締りを終えて、パドンが言った。
    「うん、大丈夫。」
    パドンは歩き始めたが、
    ダニエルは玄関前から一歩も踏み出してはいなかった。
    パドンは、息子を振り返った。
    「どうかした?」
    ダニエルは言いにくそうに、口を開いた。
    「パパ、手を繋いで。」
    パドンは、ダニエルの小さな手を引いた。
    その手は、少し汗ばんでいた。緊張しているのだろう。
    口では大きな事を言っていても、やはり子供なんだ。
    自分が守ってやらないといけない。
    ダニエルの歩調に合わせて、石畳の上を歩いた。

    *
    ロックシティ地区パブリックスクールに行き着く。
    通称RCPS、それがこの学校名である。『公平な教育を』をスローガンに、政府の公的な学校で、設立してから3年ほど経った。
    片田舎の町のことだから、大人も子供も教育というものにさほど期待はしていない。学校では、生活に必要な最低限の読み書きや計算ができれば良い。家では、思いやりを持って、協力的に、家事を良く手伝ってくれさえすれば、それで十分であった。

    「眩しい。」
    樹々の影が大きく落ちていた通りを出ると、急に目に光が差し込んできて、思わず目を閉じてしまう。目を閉じて、光を感じながら、そっと目を開くと、ようやく辺りの明るさに慣れてくる。
    「大丈夫ですか?」
    パドンが心配そうに、ダニエルを覗き込んだ。

    学校は目の前、校門の辺りに人の姿が見えてきた。
    側まで行って、その人を見ると、先日案内してくれた人だった。
    「おはよう。ダニエル君。」
    「おはようございます。」
    ダニエルも笑顔で答える。
    「おはようございます。ゴードンさん。中へお入りください。」
    パドンも挨拶をして、古びた木造の校舎に入った。

    その後から、別の親子が学校にやってきた。
    「母さん、オレ先に行ってるから。」
    男の子は、校門から走り出した。
    「待ちなさい。オズワルド、待ちなさって言ってるでしょう。」
    母親は子供を追おうとしたが、
    「シュバルツさん、ご案内しますね。どうぞ。」
    校門に立っていた女性にそう言われ、ついていった。

    *
    教室に入ると、既に4人の生徒が居て、隅の方で、
    新入生親子をチラッと見ては、何やらこそこそと話ていた。
    「パパ、やな感じだね。」
    ダニエルは不快に思い、パドンの耳元で囁く位の小さな声で言った。
    「新入生が気になってるんですよ、きっと。」
    「ふ〜ん。」

    「オズワルド、遅いぞ!」
    4人の中の誰かが、教室の入り口に見えた男の子に叫んだ。
    「へへっ。」
    と言ったかと思うと、4人の輪に入った。

    「オズワルド君は、こちらへ来てください。」
    案内の女性は、教室に入るなり、オズワルドを呼んだ。
    「あ、やべ。先生来た。」
    と4人の生徒達も、決められた位置に着いた。

    「皆さん、席に着いてください。」
    そう言った女性は、黒板の前の教壇に立った。
    みんなの顔を見回して、黒板に字を書いた。
    「私は、このクラスを受け持っているミュラーと申します。」
    「知ってるよ。」とどこかで聴こえる。
    「知ってる生徒は、静かにしていてくださいね。
    ダニエル君、オズワルド君、入学おめでとう。
    今日から、同じ学校の仲間として、良く学びましょう。
    分からない事があったら、
    ここに居る先輩達や先生達に聞いてくださいね。」

    **
    「お帰りなさい。」
    先に家に戻っていた、パドンがダニエルを迎えた。
    「ただいま。」
    ダニエルは、バックをソファに置いた。
    「どうでした?」
    「疲れたよ。みんなのペースについていけなくて。」
    「そうですか。」
    「パパ。2階で少し休むから、起こして。」
    そう言って、ダニエルは階段を上っていった。

    その後姿を見ながら、パドンは手製の料理ブックをめくる。
    この料理ブックは、ノートに料理名と手順を書き込まれたもので、イーストシルバーバレイからロックシティに移り住むと決まってから、ゴードン家の料理人たちから収集したメニューで、なおかつそれぞれに作り方の手解きを1度は受けてきたものだ。もともと料理が得意なわけではなく、自分が作るしかない環境に身を置かなくてはならなくなって、主人に不味い料理を出すことだけは避けたいと思っていた。
    近頃ようやく包丁さばきも慣れてきたので、これまでより少ない時間で調理できる見込みもでてきた。夜まで時間は十分にあるので、煮込みにしようかな。などと思いながら、パドンは夕食の用意に取りかかった。

    *
    「パパ、おなかすいたよ。」
    ダニエルは、パドンの声かけを待てず、ダイニングにきた。
    「ダニエル様、もう少しで完成です。」
    「遅いじゃない、今日はどうしたの?」
    パドンは、すみませんと言う代わりに、笑顔になった。
    「いつもと違う匂いが、立ち込めている。一体何を作っているの?」
    ダニエルは、キッチンに入ってきて、鍋を覗こうとした。

    パドンは、鍋からブーケガルニを取り出した。小さなフライパンに、溶かしバターを作り、小麦粉を少量づつ入れながらクリーム状にのばしていく。白色から黄みを帯びて、茶色のクリームができてきた。それを煮込み中の鍋の中に少しづつ溶かし込んでいった。

    *
    「このスープ。肉も野菜も柔らかくて、美味しいよ。」
    ダニエルの顔が、綻んだ。
    「そう言ってくださると、嬉しいです。」
    パドンも、今夜のできで、少し料理に自信が持てそうだと思えた。

    「ダニエル様の選ばれた着衣は正解でしたね。」
    ダニエルは、ただ頷いた。
    「…学校、馴染めそうですか?」
    パドンは、同行して感じた心配事を口に上らせた。
    ダニエルは、一瞬渋い顔をしてみせた。
    「そうだね…なるように、なるんじゃないかな。」

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    <ツブや記>
    ダニエル君、前途揚々とはいかないみたいです;;
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      | 2010.02.12 Friday |   ・// N // | - |

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