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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 173
    10:51
    // 窓のそと mado no soto //

    1. 
    部屋のいつもの窓辺から、外を見ていた。

    「誰か、いて?」
    「お呼びでしょうか。」

    ちらほらと白いものが落ちてきた。
    「寒いと思っていたら、冬将軍のお出ましですか。」
    部屋の主に、ショールをかけながら、言った。
    「本格的な冬が来る前に、いつものお願いできる?」
    彼女は一瞬困ったような顔をし、はいと返事した。

    2. 
    ふたりは、リビングで話をしていた。

    妻を前に、アルバートは話を始めた。
    「調べて解った事がある。
    とても古い時代の話だ。当家には、身体の不自由な姫が居てね。――アイシャという名で。生まれながら歩行困難な肢体だった。――その姫様は、来る日も来る日も窓の外を眺めていて、北側の景色が――見にくい位置にあるよね――森が、気になっていたらしい。お付の者たちに、北の森のことを事あるごとに調べさせていた。執務ノートに、色々と不可解な記述が、特定の時期――秋から冬――に多く残されていた。…」

    アイリーンは、睫毛をしばたかせた。
    「そのお姫様のお話に、何かあるんですの?」
    「君に関係ある事だよ。魔女の話の真相だ。」
    「どういうことですの?」
    「私が聞いていた伝承は、どの時代からか特定できないが、間違った
    解釈がなされ、そのまま守られて来たものだ。この魔女を寄せ付けないための。行事そのものは、先の姫が創められた。間違っているのは、『子供たちが連れていかれてしまう』というところだ。正確には、いつか子供が生まれたら『子供たちも引き連れて』あの森の先の風景を見に行きたい。というものだ。その姫は、とても優しい方だったそうだよ。当時の執事が記していた。それからね。誕生日が、君と同じ日…」

    アイリーンが、口を開く。
    「恥ずかしいわ。私ったら…」
    「すまない。君に嫌な思いをたくさんさせてしまった。」
    アルバートは、深く目線を落とした。
    アイリーンは、夫の目線に入って言った。

    「一緒にお祝いできないかしら?」
    「お祝いだって?」
    「同じおまじないなら、幸せのおまじないをしましょう。」
    「君、本気?」
    「魔女にされてしまったら、私だって悲しいです。せめて、私の命のある限りは、祝祭日にしませんこと。」
    アルバートは、不服を述べる。
    「それでは、君が脇役になってしまうじゃないか。私は、反対だよ。私には、君が一番なんだからね。」
    「ありがとうございます。あなたのそのお言葉だけで、嬉しいです。――その日は、彼女の愛した柊をブローチのように胸に飾りましょう。そして、私たちの子供が、健やかな成長を遂げられるように、祈りながら、食卓を囲みましょう。ね、あなた。」
    いつになく積極的な妻のアプローチだった。
    「それが、君の望みなら、私は叶えるまでだ。」

    3.
    同じリビングで、子供たちと過ごしていた。

    「母上。」
    「何かしら?」
    「また、今年も『魔女の祝祭日』を慣行されるのですか?」
    「開きますよ。ハインリヒ。」
    「母上はもう、子供のようにはしゃがれるお年ではないでしょう…」
    「まあ、この子ったら。あなた…」
    アイリーンは、乞うような目をアルバートに向けた。

    「…ハインリヒ。」
    父の鋭い視線を、ハインリヒは素早く外した。
    「アイリーン、楽しみだね。」
    「ええ、私の誕生日ですもの。」
    「……母上のお望みでしたら、仕方ないですね。」

    言葉が過ぎる、とアルバートが口を開こうとしたとき、
    娘のエイミーが、話に割り込んだ。
    「お母様、お兄様、何のご相談?」
    「12月の例のアレだよ。」と、ハインリヒ。
    「まあ、素敵!またお母様のお姿を拝見できるのですね。楽しみだわ。」
    エイミーの過剰な反応に、やれやれとハインリヒは父に視線を移す。
    アルバートは、ただ優しいまなざしで妻を見守っていた。


    4.
    アイシャの部屋の窓際には、
    書斎でよく使われるような幅の広い大きな机が置かれている。
    その机の上には、センターピースを活けるガラス製の器に、
    長めに切り取られた枝が横たえられていた。

    身体を動かすことは、誰かに負担を掛ける事を知っていた
    アイシャは、自分が頑張ればできることもあったので、
    できるだけ人の手を借りないようにしていた。
    でも、自由に歩く事だけは、どうしても適わなくて…
    年に何度かは、我侭を言ってしまう。
    そんな事を、くやんだりするけれど…

    *
    「あの柊の、身を寄せ合うように咲く白い小花を、
    この目でじかに見たいわ。」
    「姫様…。雪がちらつく頃には、赤い実になっています。それに…」
    ハッとして、お付のメイドは言葉を切った。
    アイシャは、一呼吸おいて、言った。
    「そうね、我侭を…許してください。それならば、
    一枝、私のために持ち帰って頂けないかしら?」
    「…はい。」
    メイドは、持ち場を離れる事をためらって、一瞬返事が遅れた。
    そこへ、部屋の点検に来ていた執事が口を挟んだ。
    「後ほど私が、お届けにあがりましょう。」
    アイシャは、口元を緩めて、彼にゆっくり頷いた。

    *
    アイシャには、一人になる時間があった。
    おやすみのときと、机の椅子に座って外を見てるとき。

    昼は、机上の赤い実をつけた柊の一枝を愛でながら、
    自分にもできることはないかと考えた。

    夜は、なかなか寝付けないで居た。
    それをもどかしく思ったこともあったけれど、
    同じ日々を過ごしているうちに、
    自分にはあまり睡眠をとらなくても、問題のないことに気づいた。

    だから、すぐに寝付けない夜は、想いを巡らす。

    初めは、自分が普通の人だったら、どう行動するのかと考えていたが、
    考えるという事に慣れてくると、
    家を支えていく仕事に就くのは、難しいことなので、
    女性として、できることは何だろうかと…
    ――普通の人だったら、結婚して子供を生むんだろうな――

    振り出しに戻りながら、アイシャは今日も想いを巡らす。

    --------------
    <ツブや記>
    クリスマスプレゼント代わりに、創ってみました。(笑)
    続いています、3話目になりました。

    1と4は、同じ日のアイシャの話。
    2は、アルバート夫妻の新婚時代。
    3は、アルバート夫妻の子供がある程度大きくなってきています。

    このお話ための新キャラのアイシャさん、
    私の中では、かなり美人さんです。お顔もこころも。

    >> 追記 もう少し続きます。
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      | 2009.12.21 Monday |   ・// N // | - |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |