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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 150
    21:37
    // 夏の軌跡 natu no kiseki //

    リーンリーン。
    執事のホフマンの声が聴こえた。
    「奥様、お繋ぎします。」
    ジョーは、受話器のコードを少し弄んいると、すぐに交換が終わった。
    「ジョー、私だ。」
    サウスシュテディに居る夫の声が、耳に届く。
    「あら、あなた。」
    「まだ、こっちにこないのかい?」
    「子供達と一緒に居たくって。」
    城のリビングに居るジョーは、
    窓辺で話しているふたりの子供の姿を目で追った。

    「珍しいね。」
    「婚約式まで、バタバタしていましたからね。
    たまには、ゆっくり過ごしたいんでしょう。」
    「私は、休暇期間中の決済だよ。
    会長が逃げてしまって、ゴードンがカンカンでさ。」
    「仕方ありませんわね。まさかの出番が回って来たのですし、
    その先が、ここであれば、文句も言えないですもの。」
    「それは、そうであるが…」
    「予定通り始められたのです。
    あなた程の才能が有れば、容易い事です。ね、全て良しでしょう?」
    ハインツは、電話の先で苦笑いをした。

    「週末、君を迎えに行くよ。」

    **
    フランは、練習の手を止め、ぼんやりと窓の外を眺めた。

    婚約式のあった、あの日の事を思い起こしていた。

    *
    「姫様、退屈ですか?」
    「え?あの…」
    ふいに声を掛けられ、フランは驚いて声の主を見た。
    目が合い、相手の男性はネクタイの歪みを直した。
    「失礼、君がひとりみたいだったから。
    私は、ゴードン家の者です。遅参して、ご挨拶できていませんが。
    覚えておられないかもしれませんが、幼少以来です。
    このパーティーは、ご年配の方ばかりで、話し相手がいません。
    もしよろしければ、お話できませんか?」
    男は、ゴードンとだけ名乗った。

    「それは、もうしわけございません。私達の為にお運び頂いたのに。
    私でよければ、喜んで。」
    フランは、社交辞令で答えた。
    「では、姫様。景色の良いところに案内していただけますか。」
    ゴードンから差し出された手に、フランは手をおいた。

    *
    城の外周の緑の絨毯の上を歩く。
    時折吹く風が、頬を撫で心地良い。

    木陰の下のベンチに、ふたりは並んで掛けた。
    「麓に駅が見えるね。遠くの方まで自然が広がっているんだね。」
    「ここは、シュクール家代々の領地だったので、
    城から見えるところには、建物を建てなかったようです。
    レークノースウッドは、寒冷地という事もあり、
    人々が好む環境でもなく、新事業が興ったりもしないです。」


    ゴードンは、まじまじとフランを見た。
    「何か、付いています?」
    ゴードンは、首を振った。
    「僕を、覚えていない?」
    フランは、頷いた。
    「そっか〜。あの頃は、たまにここに来ていた事があって、
    僕が5つで、君は3つぐらいだったかな。
    君はマーガレットとお留守番していて、
    僕の事をダァって呼んでくれたっけ。
    それくらいの年齢の記憶は、当てにならないのかな?」
    フランには、その年頃の記憶を呼び起こす事はできなかった。
    「ごめんなさい。」
    「僕の方こそ、ごめんね。
    僕が勝手に懐かしいだけで、君が気にする事は無いから。」


    「ところで、君はいつも何をして過ごしているの?」
    「城では、読書したり、ピアノを弾いたり、していますわ。」
    「一年中?」
    「近年は、インターグレ・ミケールに在学しています。」
    「そう。なら、また会えるよ。」


    **
    ヴァカンスを振り返ると、
    猛ダッシュで、多くの事をこなした夏になった。

    「教授、最後の2週間はインターグレで過ごそうと思っています。」
    「アルベルト君。きちんと休養を取ってから出てきなさい。
    生活に緩急を付ける事は、大切だから。
    今ここに集中する力を蓄えなさい。
    それに、私も久し振りに旅を楽しんでいるところだ。」
    教授の仕事を手伝うつもりでいたけれど、
    新学期初めに戻ると良いと、一蹴されてしまった。
    でもそれは、スエンセン教授の気遣いに他ならなかった。

    *
    「リッチモンドさん。」
    「ああ、アルベルト君か。」
    アルの呼びかけにトマスが答える。
    「お疲れ様。これで、将来君を息子と呼ぶ日が来るかもしれんな。」
    「じゃあ、義父…」
    「駄目だ。呼ぶな。」
    トマスの口調が強くなる。
    「何故です?」
    「まだ、約束をした段階にすぎん。結婚するまで駄目だ。」
    「すみません。リッチモンドさん。」
    普段トマスは、冗談も通じる温厚な人である。
    アルは、クリスの父親の気持ちを思い大人しく従った。

    クリスをもう少し、手元に置いておきたかったけれど、
    婚約式の翌朝、両親と供に帰ってしまった。

    *
    「クリス、何してたの?」
    「トランクにどの服を詰めて行くか、悩んでいたの。」
    「そう。行動しやすくて、可愛くて、優雅なのがいいかな。」
    「ニコル。言ってる事がバラバラね。」
    「君がどんな服着ていても、良いよ。
    君の顔が見れて、僕の側に居てくれたら、それで。」
    「欲張りだわ。」
    「そうかな。」

    「クリス、明日は早いんだ。さっさと電話を切りなさい。」
    と、トマスの不機嫌な声が受話器を通して聴こえた。
    「クリス、長電話になってしまって、ごめんね。」
    「ニコルが謝る事無いわ。お電話ありがとう。
    それじゃ、おやすみなさい。」
    「ご両親によろしく伝えてね。
    ――クリス、愛してるよ。――
    おやすみなさい。また、明日ね。」


    アルは、書斎の窓の向こう側、サウスシュテディに思いを馳せた。
    8月も残すところ僅かとなった。

    --------------
    <ツブや記>
    ダァって、知り合いだったの!?
    新年度に登場してくださいNo.1の彼です。(笑)
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      | 2009.11.23 Monday |   ・// N // | - |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |