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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 148
    21:26
    // 珍客来る 2 tinkyaku kitaru 2 //

    ノックの音がした。
    アルは、戸を開けた。
    「あ、教授。」
    「こちらだと聞いてね。今、話せるかい?」
    「ちょっと待ってくださいね。」

    「アレク。諦めてください。通しますから。」
    「俺、嫌だから。」

    「教授。叔父も居ますが、どうぞ。」
    スエンセンは、首を傾げながら、部屋に入った。
    「げ、教授……」
    アレクは、俯いた。

    「アルベルト君の叔父様ですか。初めまして。
    私は――!――君、イワノフ君じゃないか。」
    スエンセンは、アレクを覗き込んだ。

    アレクは、スエンセンと目が合い観念した。
    「お久し振りです、スエンセン教授。
    お元気でいらっしゃいましたか。」
    「君も元気そうでなりよりだ。って、話をそらさないでくれ!
    急に止めて行方不明になっていたから、心配したんだよ。
    当然、親御さんだって、こちらの夫婦も、学友も。」
    「すみません。」
    アレクは、立つ瀬が無く、小さくなった、
    スエンセンの憤りに返す言葉が無かった。

    *
    スエンセンは、アレクの前に着席していた。
    「折角、勉学に励んでいたのに、勿体無いと思ってね。
    楽器の腕前も素晴らしかったからね。
    シュクール君が卒業する時に、君の事頼まれていたから、
    私もショックだったよ。」

    「ところで。君は今。何処で何をしているんだい?」

    「いつまで、滞在するのかな?」

    1つめのスエンセンの質問に答えて、アレクは言った。
    「今日、すぐに帰る予定です。まだ確認できていないので。
    列車が無い様だったら、明日一番に乗ります。」

    **
    再び、ノックの音が。
    「アルベルト、入るよ。」
    ハインツは、室内を見渡した。
    「教授も、こちらでしたか。」
    スエンセンに目配せをして、ハインツはアレクを見た。

    「アレク、今夜は泊まっていけよ。」
    「俺の仕事、馬鹿にしてるのか!」
    「そのつもりは無い。すまん。穴は埋めるから、頼むよ。」
    「じゃ、電話借りる。」

    アレクは、受話器を持った。
    長いコールを経て、電話が繋がった。
    「ボブ。……ああ、すまない。今夜帰れなくなった。……
    表に、本日休業と出してくれ。……心配するな。……
    1日の損が出ないように、計らってくれる有難い人間が居るから。
    ……ゆっくりでいいから、頼んだよ。…また、掛けるから。」

    *
    「アレク、お前なぁ…」
    ハインツは、呆れた。
    「この条件じゃないと、納得できないんだ、
    今の生計立てている大事な仕事だから。
    たまには、ハインツ、君が諦めてくれてもいいんじゃないか。
    その代わりの演奏は、させてもらうから。」

    「と言う事です、教授。リクエストしてやってください。」
    「待て。一体今日はどれくらいのお客様が居るんだ?」
    「安心しろ。殆ど身内の集まりだ。主に、学校関係者だよ。」
    「嘘だろう?」
    信じられない。そう、ハインツは諦めが悪い。
    最後まで、自分のプラスに持っていく人間だ。
    まだまだ勝てない、くやしい、とアレクは思った。

    「ちゃんと紹介してやるから。ね、教授。」
    「そうだね。あの子達も、喜ぶだろう。」

    **
    腹を括ったアレクは、アルについて館内を回った。
    ここでの居場所なるアル自身の館へ、向かった。
    外観は、本館であるシュクールの棟よりもコンパクトで、
    1階の大きな2階建てほどの空間が、大きなガラス窓の外張りで、
    戸外からも、よく見える。

    「何だ、あれ?ホールか?」
    アレクは、思ったままを口に上らせた。
    「下層部分は、そうとも言えますが、
    普段はロビーのように使っています。」
    「趣味悪ぅ〜。どうせ、ハインツが建てたんだろう。」
    「…あ、建てたのはそうですけど。まだホールとして使った事無い
    ので、実際はどうなんでしょう。試してみます?」
    アレクの反応は、かんばしくなかった。
    「僕、ピアノ弾いてみますので。
    アレク、階段部分に座って聴いてもらっていいですか?」
    「ニコが言うなら、してやろう。」
    「ありがとうございます。」

    *
    「アルベルト君。使わせてもらってるよ。」
    ルイスは、練習の手を止めた。
    「そちらは?」
    「こちらは、僕の叔父です。
    そしてアレク、こちらは、ヴァイオリンの先生。」
    「お目にかかれて、光栄です。アントニオ・ルイスです。」
    「初めまして。叔父のアレクセイ・イワノフです。」
    「どこかで、お名前を聞いたことがあるんですが…」
    「気のせいでしょう。どこにでもある名だから。」

    *
    アルは楽器の前に、
    アレクとルイスは幅広い階段部分にスタンバイした。
    それを確かめて、アルは指を動かした。

    「聴こえは、どうですか?」とアル。
    「いい感じだよ。」とルイス。
    「前言撤回。何とも良い。」とアレクが。
    「アルベルト君も、聴いてみる?」
    「そうですね。はい。」

    今度は、ホール中程にルイスが楽器を構えて立った。

    「どうだい?」とルイス。
    「思っていたより、ずっと良かったです。」とアル。

    **
    広間に集まった面々に、ハインツがアレクを伴って声を掛ける。
    アレクは、堅苦しい衣装を着るのを断固拒否したが、
    ハインツの『交渉は決裂?』という言葉で、
    やむなく正装を強いられた。
    無愛想を通せない、仕事と半ば割り切って、続く。

    「今日のピアノの演じ手のアレクセイ・イワノフです。
    最愛なる妻の従姉弟です。かつて、インターグレで
    スエンセン教授に師事していたこともあります。
    彼は、アントニオ・ルイス。一年程前は、インターグレの学生で、
    助教授に抜擢される程の、期待の新人だ。」
    「よろしくお願いします。先程は、どうも。イワノフさん。」
    「よろしく。そうか、あの腕前は。伊達じゃなかったんだね。」
    「そして彼は、ロマリオ・コンコルド。彼も同じく助教授で、
    楽器の演じ手としても、素晴らしい才能の持ち主だ。」
    「お会い出来て、光栄です。今夜は楽しみです。」
    「初めまして。よろしく。」

    *
    「アレク、緊張してるんですか?」
    「ニコ。俺、出来れば、逃げたい。」
    「後戻りは、できません。マスター、お客様サービスです。」

    確かな足取りで、グランドピアノの前に、アレクは進んだ。
    先程までの弱気は、どこかに飛んでしまったというような、
    フォレストのピアニストの落ち着いた顔で、盤上に指を滑らした。

    広間の食卓は、次々とコース料理が運ばれていく。
    アレクは、客の雰囲気を観察しながら、
    その時々のムードに合った選曲で、集めたリクエストを消化していく。
    はなから、アレクは自分の為に用意された席に座るつもりは無かった。
    予め、シェフに聞いておいた料理の品数、全体的な流れ
    を把握していたので、曲間の繋ぎにも気を配った。
    気を配りながら、アルの演奏も思い起こしていた。

    *
    アルは、休み無く続く演奏をするアレクが気がかりで、
    クリスの話を、時々聞き漏らした。
    テーブルの下で、フランに足を踏まれては、痛みに堪えた。
    「ごめん。アレクの様子を見てくる。」

    ピアノのサイドに立って、アルは言った。
    「アレク、時々手を休めた方が良いですよ。いつもみたいに。」
    「ああ、そうだな。」

    「少し、休んでください。」
    アルが、椅子の温もりを引き継いだ。
    静かで、優しく、時に厳しかった、アレクとの思い出は、
    森深い町で育まれた信頼だった。
    飾らない町の、心が開けっぴろげな人々の…

    *
    アルの演奏中、
    アレクは自分の有りっ丈の気持ちを込め表現しようと
    グラスを片手に、少し会場の端に佇んだ。

    頭の中が、すっかり整理できて、
    自分の中のピアノで、反芻した。
    100%の出来でなくても、ニコは怒りはしないだろう。
    でも、息子のように大切な家族の為、それ以上のものを注ごう。
    あの頃の情熱を思い起こさせる程、アレクは集中した。


    「ありがとう。そろそろ、ニコのリクエストに応えるよ。
    それに、俺の…いや、何でもない。」
    その曲は、本来よりも長く続いた。
    アルのリクエスト曲は、何度も展開されて、
    やっと元の調に戻った途端に、シンプルな音運びで、
    装飾が要所要所に施され、語るように綴られていった。

    ドラマチックな展開に、皆の手は止まり、
    アレクの演奏に魅了されていった。

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    <ツブや記>
    ブラボーポイントが、半端ナイっス♪(笑)
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      | 2009.11.21 Saturday |   ・// N // | - |

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