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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 144
    21:09
    // 月が見てる2 tuki ga miteru 2 //

    演奏とディナーが終わり、言葉を交わし退出した。
    スエンセンは、マリアを伴って
    ゆったりとした足取りで、彼女に気を配りながら、歩いた。
    コンコルドは、すぐに部屋に篭るのはつまらないと
    ルイスと時間を持つ事にした。
    フランは、する事がないとばかり、自室に戻った。

    アルとクリスは、他のメンバーよりも少し遅く
    ダイニングを出て、回廊に敷かれた絨毯の上を歩いた。
    「部屋に戻らなくていいよね?」
    クリスは、少し考えて頷いた。

    自分の為に用意された部屋に戻ってもすることはない。
    ニコルと過ごす時間がないと不安だから、とクリスはついていく。
    こんなに近くに居ても不安だというのは、おかしいと思う。
    でも、その気持ちは未だに晴れない。
    婚約は家族間で結ばれていたが、
    まだ発表という形で公表されていない。
    けれど、自分は既にシュクール家の教育を心得を学ばされている。
    これほど家名が重いと感じたのは、初めてなのだ。
    自分の家は、一般的な家庭より裕福で、
    衣食住に困ることなく、自由にさせてもらっていて、
    硬く守る事は何もない家柄だから。
    普通に暮らす男性相手が、自分には釣り合う。
    でも、承諾したのも自分。
    気持ちはこころは、まだ不安定に違いなかった。

    「危ない!大丈夫?」
    クリスは、階段を降りようとして、ふと足がもつれ
    ステップを踏み外しそうになった。
    アルは腕を絡ませ、咄嗟に彼女の身体を支えた。
    「ごめんなさい。」
    「いいよ。君が何ともなかったら。」
    同じ事が起こらない様にと、残り僅かの階段を下りるまで、
    アルはクリスに腕を差し出した。

    *
    棟の外は、夜の帳が下りて、辺りは暗くなっていた。
    棟の出入りをする扉を挟んでも、にわかに肌寒い。
    「外は、冷えるからね。」
    と用意していたショールをクリスに掛けてやり、
    アルは、マントを羽織った。
    「クリス、お手をどうぞ。どうか僕に、君の手を預けて。」
    アルは、クリスの手を優しく繋いだ。

    アルは、クリスの歩みに合わせ、気遣いながら、
    しばらく無言のまま歩いた。

    クリスは、繋いだ手の感触で、胸が高鳴っていた。
    ああ、このドキドキがあらわになりませんように。
    と思いながら、静かに寄り添った。

    *
    「クリス、見てごらん。」
    歩みを止めて、アルの指し示した方を見ると、
    天上は、瑠璃色の空。
    無数の星が川のように連なって、乳白色の帯を作っていた。
    「初めて見たわ。キラキラして宝石のよう。」
    クリスは、感嘆の声を漏らす。
    「夜晴れると、星ははっきり見える。――
    どこまで行くのか、ミルキーウェイを流れる星々よ。
    もし君が訪ねてくれるというなら、クリスの元へやってきておくれ。
    僕は、いつでも歓迎するから。――」
    と、アルは独り言のように呟いた。

    いつの間にか向けられたクリスの視線を感じて、アルは言った。
    「もっと眺めていたいけど、
    君の体が震えださないうちに、先を急ごうか。」
    頷くクリスを、自分のマントで包み込み、
    ふたりは、アルベルトの館を目指した。

    **
    館は控えめに点されていたけれど、夜目には眩しく映る。
    扉を開き、クリスを先に中へ入れて、
    自分も入るとアルは、内側から鍵を掛けた。
    アルは、マントを入り口のポールに掛けながら言った。
    「今日、担当の者には、休暇を与えちゃったから。
    用心の為、鍵を掛けておくね。
    ちょっとした飲み物やおつまみはあるから、安心して。
    ここの明かりは、最小に押さえてるから、
    少し暗いけど、ごめんね。」

    「僕の姫君、さあお手をどうぞ。」

    *
    ゆったりとした足取りで、ステップを一段一段丁寧に上がっていく。
    踊り場でクリスは、ふと足を止めた。
    「どうしたの?疲れちゃった?」
    クリスは、首を横に振る。
    「…」
    アルは、クリスの顔を覗き込む。
    「クリス、そのままでいて。」
    クリスは、何のことだか分からず、ジッとしている。
    アルは、クリスの頬に口付けて、クリスを抱き上げた。
    「きゃ!」
    「一気に上がるよ。つかまっていて。」

    棟を一気に上がって、奥の部屋の前に来た。
    「こんなことなら、戸を開けておくべきだったな…。」
    アルは、腕の中のクリスの顔を見つめた。
    「降ろして、開けるわ。」
    「じゃあ、手伝って。ノブを下げてくれる?」
    クリスがノブを下げると、戸は少し部屋の内側に入り込んだ。
    「少しだけ、見なかった事にしてね。」
    と、アルは戸を蹴り飛ばした。
    確かに、行儀良いとは言えない行為だ。
    でもそれは、私を歩かせない為に、紳士らしさを少し壊した
    のだと、クリスには分かる。

    窓辺を向いて置かれたソファに、クリスをゆっくりと降ろし、
    その隣に、アルも落ち着いた。
    「何か、飲む?」
    と言いながら、アルはソフトドリンクを作り始めた。
    曇りの無いグラスを2つ手に取り、
    薄黄色い液体を3分の1程注いで、
    ミネラルウォーターを足しながら、マドラーで均一に混ぜる。
    仕上げに、ロック状の氷をトングで落とし込み、
    手元でスライスしたレモンを添えた。
    「どうぞ。」

    窓辺から見た夜景は、建物から漏れる光さえない。
    鬱蒼と茂った樹々が、闇の濃淡を造っているだけだった。
    クリスは身震いをし、ほんの少しアルの居る方に近づく。
    「寒い?」
    「町の…家の灯が見えないのは、少し怖いわ。」
    「ごめん、怖い想いさせて。
    クリス、ほんのちょっと左上辺りを見て。」
    クリスは、恐々窓の外を見上げた。
    「あんなところに、月が出てる。」
    「まるで、僕達を見下ろしているみたいでしょう。
    薄いベールに包まれたような光を浴びていると、
    気持ちが穏やかになって、優しいこころになる。
    そう思わない?」
    「そうね。」

    「ニコルは、毎晩この景色を見てるの?」
    ふと浮かんだ疑問を、クリスは投げかけた。
    「君の事想っていたい時間は、窓の外を見てる。
    今夜のように月の光を浴びれる日は、
    月が君の、泣き顔に見えたり、笑顔に見えたりする。
    君の側に居たくても、居られていない自分に腹立たしくなったり。
    電話口で話す君の元へ、飛んで行きたいと何度想っただろう。
    君が穏やかな気持ちで過ごせるのなら、
    僕はどんな事だってしてみたいと想うんだ。」

    アルの気持ちに触れ、クリスの涙が頬を伝った。
    「クリス、どうしたの?」
    アルは、クリスの涙を手で拭い、目尻に口付けた。
    「泣かないで。」
    優しい、ニコルは優しい。
    と想うほどに、視界が滲んできた。
    アルは、クリスに胸を貸した。
    クリスの涙が収まるまで、そっと…。

    「クリス、好きだよ。――大好きだよ。」

    **
    月の雫は、しじまに落ちて、水上に同心円を描く。
    その円は、段々と押し拡げられ、
    新たな波紋を拡げていく。
    波紋は、行き着くところまで行き着くと、
    いつしか、穏やかな水面へと変わっていくのだ。

    僕達の中にも、その流れはあるのだ。
    そんな事を、ふと想う自分が居る。
    いつまでも、同じ状態で居る事は不可能だから。

    --------------
    <ツブや記>
    あれ?あれれ?(何かおかしいぞ?
    書く前に想っていた方向に行き着かなかった(汗;
    ま、いいか。(笑)

    *
    乙女心は、複雑さ〜
    自分と同じ思いを、彼が抱いていたなんて。
    そんな事を想われていない
    といぶかしんだ自分が情けなくて。
    でも、自分の為に色々と助けてくれる助けてくれようとする
    彼の気持ちが、とてもとても嬉しいのです。(笑)
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      | 2009.11.17 Tuesday |   ・// N // | - |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |