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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 131
    20:22
    // 届いた手紙 todiita tegami //


    「アントニオ・ルイス君へ。
     先日、話した件を伝えよう。
     君にとっては迷惑な話かもしれないが、契約通り
     ヴァカンスの時期に、君を予約させてもらえるだろうか?
     仔細は、別紙にタイピングしています。
     当方の希望は、7月です。都合をお報せください。
                 ハインリヒ・シュクールより。」

    *
    ルイスは、またハインツから届いた手紙を読み直していた。

    それは、ギャンティの仕事が、無い時期に届いた。
    時間を持て余すルイスに取って、
    学内以外で、収入が増えるのは物凄く有難い事だった。
    そう――あの頃は、良かったハズが、――
    今は、教授の口添えで忙しさが少し増した。
    新年度の準備を考えれば、時間は惜しい。
    贅沢かもしれないが、断ろうかと思った程だ。

    この手紙を皮切りに、やり取りが続いた。
    その都度に事情を説明するも、
    『契約通り』を押し切られ、渋々身支度を整る事になった。
    はなから、この様な契約を交わさなければ良かったものを…
    俺って、浅はかかもしれない…

    後悔の念に駆られながら、便箋を封筒に戻した。

    車窓の外の景色は、近代的な町並を映していたハズだったが、
    いつの間にか長閑な風景に変わっていた。
    青野原に風が吹き、背丈の低い草々は、
    サワサワと音を立てて、後ろに流れていく。
    その光景を眺めていると、気持ちが穏やかになっていく。
    しばらくすると、背の高い樹々の向こうに湖の一部が見えて、
    森に突っ込むように、列車は進み、レールは続いていた。

    *
    視界が広がって、遠くに剥き出しのホームが見え出した。
    列車は、段々スピードを落としていった。

    ルイスは、レークノースウッドのウォーターローゼ駅に降りた。

    「ルイス先生、こっちです。」
    ルイスは、声のする方を見た。
    「あれ、シュクール君?」
    黄色みのある白っぽいブロンドは、緩やかなウエーブを描き、
    深い青の色を帯びた上下の服の肩に掛かっている。
    まるで――肖像画から出てきたような
    ――王子様の出で立ちではないか。

    ルイスは、面食らってしまった。
    「はい。お待ちしていました。
    ここからは、アルベルトと呼んでくださると有難いです。」
    今から、シュクール家に向かう…
    「……ああ、そうだね。」

    「お荷物、お預かりします。」
    執事のホフマンが、トランクにルイスの荷物を詰め込んだ。

    *
    「アルベルト様、この後はどうされますか?」
    「僕は、しばらく先生とご一緒するよ。良いですか、ルイス先生。」
    ルイスは、同意した。
    「それでは、私はお荷物をお部屋に運んで参ります。」
    そう言うと、ホフマンは建物の奥に消えた。

    「ルイス先生、お疲れでないですか?」
    「列車での移動が長かったから、運動不足だよ。」
    「そうですか。」
    ルイスは、肩を並べて歩くアルベルトと話しながら、
    何か違和感のようなものを感じていた。
    なんだろう…?

    「どうされました?」
    アルベルトの問い掛けに、
    いつの間にか、黙り込んでしまったらしいと、ルイスは気づく。
    「いや、何でも…ないと思うんだが…。」
    「忘れ物…とかではないですよね?」
    「まさか。――!――。君が…」
    「僕が、何でしょう?」
    「失礼だったら、許してくれ。別人の様で。」
    「構いません。違って見えてらっしゃるなら、それも僕の一部ですから。他の者には、そういう問い掛けは無用にしてくださいますか。
    城での、規範が厳格で、使用人も大勢いますから。それなりで居ないと、示しが就かなくって。」

    「色々とあるんだ?」
    「そういうことです。」
    「堅苦しい事は、お嫌いですか?」
    「無い方が好ましいけれど、私にも分かるよ。アルベルト君。」


    **
    建物内を各階毎、フロアの簡単な説明をしながら、上へと進む。
    「こちらが、練習室です。」
    「見ておいて良いだろうか?」
    アルベルトにどうぞと促されて、ルイスは室内に入った。

    近くの窓辺に佇む人影を見つけて、アルベルトは声を掛けた。
    「先生、こちらに居られたのですか?」
    「私にも紹介していただけますか。坊ちゃま。」
    「勿論です。」

    *
    「ルイス先生。よろしいですか?」
    室内の状態を確かめていたルイスに声を掛ける。
    年功の紳士を見つけて、ルイスはネクタイを正した。
    「初めまして。ルイスです。
    インターグレ・ミケールで、教員をしています。」
    「私は当家にお世話になって居る者です。
    ハミルトンと申します。」

    「ハミルトン先生。ルイス先生は、ヴァイオリンを教授されています。
    この春から、僕も習っています。
    そして、城でも教えていただく事になっています。」
    ハミルトンは、優しく頷いた。
    「ルイス先生。ハミルトン先生は、当家の家庭教師です。当家一の
    物知りな方ですので、城内で不明な事は、彼に聞いてください。」
    ルイスも頷いた。
    「新参者ですが、よろしくお願い致します。」
    「こちらこそ、よろしくお願い致します。
    どの様な事でも、遠慮なさらずにどうぞ。」
    互いに、握手を交わした。

    --------------
    <ツブや記>
    冒頭は、
    N112『君の自宅に文書を送る事にしよう』で届いた手紙です。

    *
    “アル”表記を、今回は“アルベルト”にしてみました。
      沢山の人物によって呼称が変化、
      ニコル、ニコ、アル、アルベルトと彼は呼ばれています。
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      | 2009.11.02 Monday |   ・// N // | - |

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