↓↓↓ * ただ今応援中!!
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< May 2020 >>


遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




qrcode





 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
<< 「漫画」 手渡されたゲーム | main | // N // 119 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています


0
    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 118
    10:52
    // 最後の客 saigo no kyaku //

    ハインツは、音の余韻を楽しみ、
    ルイスの演奏に拍手を送った。

    「何処にも無い感じのドラマだね。
    君の得意なものは、即興だったのかい?」
    「貴方の息子さんと同じです。
    既存のものへの関心は、一般的な演奏者程度しかありません。
    だから、貴方に択ばれたんでしょうか?」

    「いや、立ち姿が綺麗だからだ。
    基本中の基本が出来ているという事は、良い演奏に繋がるだろう。」

    *
    ノックの音が部屋に響き、ハインツが立ち上がる。
    「どうぞ。」

    「こちらで、しばらくお待ちください。」
    ゴードンの案内で、コンコルドが失礼しますと入ってきた。
    「やあ、コンコルド。」
    「ルイス、君も今日だったの?」
    「見ての通りだよ。」
    「やっぱり、君だったんだね。その音聴こえていたよ。」
    「近くに居たのか?」
    「いや、突き当りの部屋。」
    コンコルドは、扉の外を指して言った。
    「凄い聴覚だな。ピアノは?」
    「私だよ。コンコルド君。」
    「私も聴きたかったです、シュクールさん!」
    「ごめん、今日は終わり。」
    「次の機会があれば、お願いしますよ。」
    「気が向いたらね。」

    「シュクール君、新人の教員を苛めてはいけません。」
    「おや、教授もいらっしゃったのですか?」
    「私の回は、お先に帰らせて頂いたから、呼ばれたのだよ。」
    「それは、ようこそお越しくださいました。」
    最後にスエンセンが入ってきた。

    「私達は、一旦外へ出ますので、教授よろしくお願いします。」
    と言って、実行委員の二人は退席した。

    *
    「ハインツ、教授に任せて良かったのか?」
    「構わんだろう。私も、遊んでばかりいたら
    ラフィーに怒られそうだから、チェックしてくるよ。」
    「私も、行くよ。」

    前方から、フィーリンガードがやってきた。
    「ハインツ、
    まずコンコルド先生のこれをチェックして、会食前に返して、
    それが出来たら、――明日の集会までに――
    貴方が来て無い日の分も目を通しておいて。
    私は、食堂のチェックしてくるわ。ゴードンも手伝って。」
    裏方の三人は、慌しく働き出した。

    **
    フィーリンガードの案内で、ゆったりとした間取りの部屋に通される。
    「こちらにどうぞ。お好きな席にお掛けになってください。」

    「この部屋は、明るいですね。一番奥は、絵画ですか?」
    「さあ、どうでしょう?お近くでご覧になって。」
    「あれ?窓ですね、それも大きな。サンが無いので騙されました。」

    「フィーリンガードさん、このケース預かってもらえますか。」
    ルイスは、ハインツのヴァイオリン・ケースを手渡した。
    「ああ、それ?良いわよ。こちらに、置いておきますね。
    必要ならば、お使いになっても良いんじゃないかしら。
    もう少し、お時間頂かないといけませんし。ね、教授。」
    「まあ、そうだね。ピアノは有るし…何か足らないんじゃないか?」
    「あら、気づかなかったわ。どうしましょう?」

    コンコルドは、にこやかに言った。
    「お気遣いは、無用ですよ。私は、観衆というお役目を頂ける
    のでしたら、それもまた嬉しい事です。」

    *
    部屋に残った研究室の面々は、暇を良い事に
    ケースの中のヴァイオリンを取り出して、
    楽器の検分を始めだした。

    「綺麗な飴色だな。こんなの初めて見たよ。」
    コンコルドは、言った。
    「これは、細やかな飾り彫りが美しいね。」
    と、スエンセン。
    「ええ、学内でも見たこと無い物ですし、
    こんなに板が薄くて、軽い器は初めて目にしました。」
    専門のルイスの言葉に、一同は持ち主が気になった。
    「学内でこれ程の物があれば、展示でもしそうなものですね、教授。」
    「そうだね――という事は、珍しい楽器ということになるね。
    音色は、どうだい?違うのかな?」
    スエンセンとコンコルドは、ルイスを見た。

    「では、弾いて確かめますか?」
    ルイスは、聴き比べの時に使っている研究室御用達の曲を奏でる。
    ほお、とスエンセンは感嘆し、コンコルドは息を呑んだ。
    何より長い一音のヴィヴラートの揺らぎが何とも言い難い音質だった。
    凄すぎる!弾きながら、ルイスは酔いそうになった。

    スエンセンとコンコルドは、観衆と化し、
    ルイスは、自由に、正確な腕裁きで弓をボーイングし、
    室内は、まるでサロンの様相を孕みだす。

    開け放たれた扉から、静かにハインツが入ってきて、
    徐に、ピアノッシモで鍵を鳴らし始める。
    ルイスは、それに気づき、ハミングしやすいスケールを示す。
    ハインツは、ピアノで応える。
    隣に居ない楽器の事を思いながら、一音一音丁寧に重ねていく。
    突然、フルートの音色が囀る様に、迷い込んでくる。

    ルイスの隣には、私が居ますよ。
    という主張をされたような気がして、
    ハインツは音をフェードアウトさせ、観客に転じた。

    しばらくして、廊下から料理を運ぶワゴンの音が聴こえ出し、
    そろそろと、席に着いた。

    *
    「あら、もう終わってしまいましたの?残念ですわ。」
    「すみません、フィーリンガードさん。」と、ルイス。
    「手荷物を隠し持っていた方も居らっしゃたようですが?」
    「あ、ばれちゃいましたか。申し訳ございません。」と、コンコルド。
    「大丈夫ですよ。館内に良く響いていましたから。
    皆、喜んでいました。ありがとうございます。」

    **
    教員という名の最後の客を送り出して、
    理事達は厳しい表情を浮かべていた。

    --------------
    <ツブや記>
    事情徴収終了。
    スエンセン教授、いつの間にか、お出ましです(笑)

    触った事も無い楽器表現は、やぱいよ(膝ガクブル)
    不適当な表現は、脳内変換で、よろしくメカドック!(笑)
    0
      | 2009.10.20 Tuesday |   ・// N // | - |

      スポンサーサイト

      0
        | 2020.02.06 Thursday | - | - |