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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 117
    22:06
    // 張り詰めた糸 haritumeta ito //

    コンコンコン、準備室の戸が叩かれた。
    「ルイス先生、いらっしゃいますか?」
    「はい。」
    「実行委員のゴードンと申します。お迎えに上がりました。」

    *
    インターグレ・ミケールの一番奥に
    人目を忍ぶようにひっそりと理事棟は建っている。
    明るい日差しの午後とは思えないくらい薄暗い空間が広がっていた。
    ルイスは、初めて理事棟に入った。
    入り口付近からずっとすれ違う人も影も無く、
    何となく陰鬱な気持ちになる。


    視線をあちこちに移しながら、同伴者の後を追う。
    理事会で有っているはずなのに、思い出せない。
    と思っている所へ、言葉が掛かった。
    「ルイス先生は、初めてですか?」
    「はい。こちらへは。」
    「ピカピカの一年生教員でいらっしゃるんですね。
    よければ、棟内をご案内致しましょうか?」
    「いいんですか…あ、いけません。約束の時間に間に合わない。」
    「遠慮なさらなくて良いんですよ。」
    ゴードンは、ルイスの気持ちを察して言う。
    「では各部屋はご案内致しませんが…。」
    ゆっくり歩きながら、
    各階の部屋名を上げて、簡単に説明を済ませる。

    *
    「こちらへ、どうぞ。」
    目的の部屋に一歩足を踏み入れる。
    「お待ちしていました、ルイス先生。実行委員のシュクールです。
    本日は、書記をさせていただきます。」
    「あ、宜しくお願い致します。」
    ハインツの顔を見て、安心しかけたルイスに緊張が走る。
    何か、逃げたくなってきた。

    「お掛けになってください。」

    コンコンコン、ノックの音がして、お茶が運ばれる。
    「あ、ありがとうございます。」
    「ルイス先生、私です。」
    「あ、フィーリンガードさん。」
    「そんなに緊張されていると、すぐ疲れてしまいますわよ。
    なんなら、楽器を触られます?」
    「いえ、必要ありません。初めての事なんで、慣れないだけです。」

    「フィーリンガード君、彼の緊張が解れるまで休ませて貰うよ。
    この様子じゃ、実際のところ困るから。ゴードン、少し時間を呉れ。」
    「どうぞ。」

    ハインツは、部屋の片隅にあるアップライトピアノの蓋を開けた。
    「ルイス先生、今回だけ特別です。次回からは、こんな事請求されても他の理事が困りますから。ここであった事は、口外無しですよ。」
    しっかり釘を刺して、ハインツはピアノを撫でるように指を滑らした。
    ルイスは、目を閉じて穏やかな旋律と同調した。

    「有難うございます。お手数をお掛けして申し訳有りません。」

    「では、始めましょうか。」
    その言葉を受けフィーリンガードは退出、
    ハインツは、タイプライターの前にスタンバイした。

    「まず、貴方のお仕事の事から伺いましょう。」

    *
    普段の仕事振りを言い終えて、仕事上の交流関係を聞かれ始める。
    「研究をされているようですね?」
    ゴードンは、書き留めた内容からピックアップして質問し、
    ルイスは、返答する。
    「スエンセン教授の研究室のメンバーになっています。」
    「他にメンバーは居ますか?」
    「コンコルド先生とシュクール君です。」
    「シュクール君は、学生ですので質問は省かせて頂きます。
    コンコルド先生は、どのような方ですか?」
    「気さくな人です。私にとっては、自分の意見を言い合える仲間です。
    仕事上は科目が違うので一緒になる事は、今はまだ有りません。」
    「スエンセン教授は、どのような方ですか?」
    「穏やかに、見守る方です。私達の意見をよく聞いてくれます。
    サービス精神もお持ちで、研究熱心な方でも有ります。」

    「直接の上司は?」
    「ギャンティ教授です。」
    「彼と関係のある教授との関わりは有りますか?」
    「学生時分には有りましたが、勤めるようになってからは
    一緒に仕事をする機会が無いので、挨拶程度です。」
    「その方々とは、ギャンティ教授の話をしますか?」
    「いいえ。」
    「ギャンティ教授は、どのような方ですか?」
    「厳しい方です。学生時分は、教授に師事していました。
    演奏指導は、凄いです。思いがけないヒントをくださったり、
    間違いは直ぐに正してくださいます。
    教育者として目標とすべき人であり、私は尊敬しています。」

    「同じ科目の方との交流が無いことに対して、何か思われますか?」
    「特には、有りません。」
    「ギャンティ教授から、他の教授の元に行きなさいと言われたら?」
    「無いと思いますが…質問の答えなら…指示に従います。」
    「ギャンティ教授もお年ですので、
    将来の事ですが、職を辞されたらどうしますか?」
    「そう判断された時は、残念ですが仕方ありません。
    私は私なりに、この仕事を続けて行きます。」

    「貴方の目指す、教師像は?」

    *
    「これで、調査は終わります。
    この後、心ばかりのディナーを用意していますので、
    用意が出来ますまで、お待ちください。」
    ゴードンは、ハインツのタイピングした用紙を持って退出した。

    **
    「ルイス、弾かないか?」
    ハインツは、楽器を手渡す。
    「これは?」
    「私の持ち物だが、どうだい?」
    「先程の演奏は、前に貴方に課題を出された時の私の曲でした。」
    「そうだよ。呼ばれるまで、時間は有る。一緒にやってみよう。」

    ルイスは、ヴァイオリンを構えて、弓を引く。
    ハインツは、違う旋律で、ヴァイオリンの音を追う。

    「あの、シュクールさん。」
    「何?」
    「楽器、交換しませんか?」
    「君、ピアノも出来るの?」
    「下手ですけど…貴方の音聴きたいです。」
    「じゃあ、君の聴かせて貰ったら、弾こうか。」
    ハインツは、愉快そうに言った。

    まず、ルイスがピアノに着く。
    ハインツの弾いた旋律を変奏した。

    「基本通りだね。素晴らしかったよ。」
    そう言って、ハインツは構えた。
    ルイスの変奏を即興を交えながら、ヴァイオリンを奏でる。
    「先程の君の譜と合わせようか?」
    「はい、お願いします。」

    二人の音が重なり、また少し違う響きを演出する。
    「この辺りで、勘弁してくれるかな。」
    ハインツは、ヴァイオリンを手に持つ。
    「いえ、無理言って済みませんでした。
    貴方は、多才ですね。羨ましいです。」
    「妻以外の人間とは、あまりやらないから。
    学内では、君の親しい友人にもね、この演奏の事は内密に頼むよ。
    スエンセン教授に師事したピアノが得意、と言う事にしてあるから。
    今度は、君の得意な曲をやってもらえるかな。」
    そう言って、ルイスの手に楽器を渡し、
    ハインツは、ソファにゆっくり腰を下ろした。

    ルイスは、深呼吸して、楽器を構えた。
    極めて静かな音が、優しく響く。
    穏やかなメロディーは、小鳥の囀りの様で。
    一瞬の休符を挟んで、激しいフォルテシモに変わった。
    嵐の様な連符が、怒涛の様に続く。
    そして、弱い音が潮騒の様に、寄せては返す。
    再び、穏やかで華やいだ高音を響かせる。
    また、極めて小さき音が段々消えていった。

    --------------
    <ツブや記>
    いや緊張致しましたので、後半は遊びました♪
    遊んだので、目標まで到達しませんでした(汗;
    なので、このまま続きます(笑)

    追記>>
     10.21 タイトルを変更しました。
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      | 2009.10.19 Monday |   ・// N // | - |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |