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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 58
    20:56
    // この坂を上れば kono saka wo noboreba //

    「私、出ません。他の方をあたってくださいませ。」
    彼女のきっぱりとした口調に、甘い期待は露と消えた。

    駄目だって言われても、どうしても、諦められない。
    その一心で、彼女とすれ違う度、声を掛ける。
    おとといも、昨日も、何日も、駄目ダメ駄目。

    出演希望者の登録締め切りは、そこまで迫っている。
    何とかしたい、ならないか。
    今朝断られたら、後が無い。
    え〜〜い、ままよ。

    「学祭のパートナーになってください、お願いします。」
    と頭を下げる。
    「負けましたわ、カットナル様。」
    一瞬何を言われたのか分からなかったが、
    「それってOK?」
    「はい。」
    ヤッターーー!!!

    *
    彼女は年下と思えないくらい冷静で。
    時間の都合上、テーマを一から練り直せない。
    既に引き込んでる曲で演目も直ぐ決め、
    後は音合わせを何時するかということだけだった。

    「こんにちわ、カットナル様。」
    予約していた練習室の扉を開けると、
    彼女は指鳴らしの手を止めた。
    「こんにちわ。早いね。」
    「1コマ分空いていましたから、先に入らせていただいてました。」
    「じゃ、早速だけど、いい?」
    彼女が頷いたので、チューニングをサッと済ませ弓を引く。

    合図を送る。

    僕のヴァイオリンが歌う、
    それに寄り添うように彼女のピアノが響く。
    正確な長さの安定した音が、鼓動と同じリズムを刻む。
    伸び伸びとして、なんて心地良いのだろう。

    「如何でした?」
    「良かったよ、フランソワーズ。」
    「カットナル様、直したい所は、遠慮せずに言ってください。
    コンサートは初めてですから。」
    甘い評価だったかなと、カールは思い直し、
    譜面に目を走らせ、言った。
    「じゃ、23辺りは、こんな感じに出来る?」

    *
    出番は、この組の後。
    手が俄かに汗ばんでくるのが分かる。
    ハンカチで、手を拭う。
    彼女の表情が硬い。
    「大丈夫だよ。」と軽く肩を抱く。
    「これで手を拭いてご覧。落ち着くから。」
    と、肌触りの柔らかいハンカチを手渡した。


    胸元の刺繍が繊細で美しいペールピンクのドレス。
    歩く度に、裾がふわっと膨らみ揺れる。
    フランソワーズは、簡単なお辞儀をして着席した。

    襟と袖に刺繍を施したモスグリーンのタキシード。
    颯爽と、楽器を持ち舞台に上がる。
    一礼して、構えた。

    キューーンと弓が弦を撫でた。
    柔らかなフレーズが会場に流れる。
    緩やかな風に、甘い香を乗せる、セレナーデ。
    ポロポロンと潮騒が聴こえてくる。
    それらのメロディーがハーモニーとなり
    聴く者の心を捉える。

    *
    彼は、ハラハラしながら、舞台に音に集中していた。
    心配することは、何も無かった。
    演奏を終えた、フランを迎える。

    フランはハインツの姿を見つけた。
    「お疲れさま。」
    「お父様、いらしてたの?」
    「君が表に出るなんて珍しいからね。
    とても良かったよ。彼のお陰かな?」
    と、カールを見た。

    「初めまして、トバイ君。」
    「初めまして…!!」
    顔を見た瞬間、驚く。
    「もしかして、アルベルトのお父さんですか?」
    「ああ。カール君だったかな、久し振りだね。
    先程の演奏は素晴らしかった。君の音に聴き惚れたよ。」
    「彼は、どうしてるんです?」

    *
    カールは、理事室に通された。
    「場所を移して済まないね。」
    と、理事の大きな椅子に掛けたハインツが言った。
    カールは、その前に着席していた。
    「彼は…」
    「息子は、養生中だ。何時戻るか分からん。」
    「自宅には居ない、ということですか?」
    「そういうことだ。」

    ノックをして、事務員が入ってくる。
    「お話中恐れ入ります。理事、予定の時刻です。」
    「わかった、直ぐ行く。」
    失礼しますと、事務員は出て行った。
    カールに向き直る。
    「まだ、話したいところだが。
    スケジュールが押してしまって、申し訳ない。」
    「いえ、僕に構わず、行かれていいですよ。」
    「心配掛けて悪かった、愚息が君に何も言ってなかったとは。
    娘を誘ってくれて、有難う。
    君の演奏も聴けて良かった。良い響きは、心の糧になる。
    有難う。失礼するよ。」

    --------------
    <ツブや記>
    坂と言っても、心的なものです。
    カールは、フランと組めるのか?
    そして、アルとの事を越えられるか?

    またしても、ハインツ父ちゃんやってくれます(笑)
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      | 2009.07.07 Tuesday |   ・// N // | - |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |