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ウェブカレ二次創作ガイドライン により、画像引用 並びに、現在創作中です - * - *TFC
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// N // 27 21:57
// 小さな約束 tiisana yakusoku //
いくつ仮面を持っているんだい 今の君は、本当に君なのか 昨日の私は、嘘つきで 今日の私は、怖がりで いつかの私は、夢を見る 今の私は… * 週末のフォレストは、 ジュニアと呼ばれるピアニストに変わってからも盛況だ。 しかし、マスターでも叔父でもあるアレクは、 このままでは彼のために良くないのではないかと思っていた。 「ニコ、いいか?」 食事のセットが済んで、ニコルが席に着いた。 「何ですか?」 アレクは、カレの目を見て切り出した。 「そろそろ、こっちへ来て5年か。」 「はい。」 普段と違い真面目な話になりそうだ。 「学校は、どうだ?」 「先生は、親切で。友達も出来て、楽しいよ。」 「そうか。」 「アルバイトは、どうだ?」 「朝早起きすると、空気が澄んでて時々珍しい野鳥も見れる。 オーナーとタブロイド待っててくれてる人と話すのも好きだ。 フォレストに行くの、最初は怖かったけど、 お客さん温かいから、段々……何て言うんだろ…… 音を共有する楽しみや奏でる喜びが沸いてきて… 独りじゃないって、思えてくる。」 「そうか。」 穏やかなニコルの顔を見てると、5年前のことは嘘のようだ。 「学校も休んでないし、アルバイトも良くやってくれてる。 が、俺はこのままじゃいけないと思うぞ。」 ニコルの顔が曇る。 「家に帰らないのか? フラン、ジョー、ハインツ…お前の家族が待っている。 ポツンと開いたお前の席を見るのは、寂しいだろうな。」 しばらくの沈黙の後、 ニコルが「はい。」と言った。 ニコルの頭をクシャクシャとアレクが撫でる。 「今返事をしなくてもいいが、考えておけよ。」 * 彼女は、待っていた 海の見える丘の上で。 約束の時間… 明日のお昼過ぎ になんて何時だかさっぱりわからない。 サンドイッチをぎっしり詰めたバスケット を開けるかどうか、迷っていた。 お昼前から、マットを広げて パラソルを差して座っているが 辺りに他の人も見えず、たまにピーチク聴こえるくらいだ。 ザッザッ と草を蹴るような音がして振り返る。 「ごめん、待たせちゃったね。」 息を切らしながら彼は言った。 セットしたであろう髪は乱れ、 心なしかネクタイも曲がっている。 その姿が何だか可笑しくって、彼女はクスクス笑った。 「改めて、初めまして。 僕の名前は、ニコル・シュクール。ニコルって呼んで。」 「初めまして、ニコル。 私は、クリス。クリスティーヌ・リッチモンド。」 「よろしく、クリス。」 -------------- <ツブや記> N26を前後してのお話です。 『彼女と小さな約束』は、待ち合わせでした。
| 2009.06.03 Wednesday | ・// N // | - |
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