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遙かなる時空の中で 夢浮橋(通常版) サンタクロースっているんでしょうか? トーマの心臓 (小学館文庫)




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 w*k
兄アニ^^ MarvelousAQL Inc.さんの
ウェブカレ二次創作ガイドライン
により、画像引用
並びに、現在創作中です

 - * - 

*TFC

古川登志夫さんを応援しています♪
 『あるがまま』という生き方に共感
 してしまった人(私=193)による、
 きまぐれ〜なところです。

   では、早速・・・
   肩の力を抜いて、ひと休み♪
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    | 2020.02.06 Thursday | - | - |

    // N // 287
    01:10
    287// 帰郷 kikyou //

    良く晴れて、雲一つない青空が続いている。

    朝乗り込んだ列車は、1時間遅れで1つ手前の駅を出発した。
    車窓から、やっと海岸線が見えだした。
    ミューズレイの町が近づいている。

     *
    「お帰り、ダニエル。」
    列車を降りると、プラットホームには
    その地方の一般的な姿をしたパトリシアが待っていた。
    「ただいま、パパ。」

    かつての少年は、生家を後にしてやって来た。
    それから初等教育期間までと、
    義務付けられた教育のためにミケールに通う数年の長い休日を、
    合わせるとロックシティで暮らした時間の方が長い。
    第2の故郷、と言って過言は無い。

    青年のパトリシア・パドンを供に連れ、
    この地に来たら、主従関係を手放して良い
    そんなルールを作ったのは、主であるダニエルのほうだった。
    土地の人に余計な詮索をされないためでもあった。

    大人から見れば、守られなければならない存在であったし、
    パトリシアと日々を送る中で、人の温もりも知った。
    彼が居たからこそ、自分は今、より強く生きていく術を
    以前よりも身に付ける事ができた。

    彼に、感謝している。言葉に出さなくても、胸の内に、
    その気持ちだけは、ずっと持っていよう、と心に決めていた。

    「車、借りたの?」
    「はい。アンネットが手配してくれたので。」
    「そう。ミュラー先生は、お元気?」
    アンネットは、ミュラー先生のファーストネーム。
    ロックシティ地区パブリックスクールに通っていた時に
    お世話になった先生である。

    「彼女は、家で待ってますよ。あ、いけない。
    内緒にしておいてと言われていたのに。」
    パトリシアは、よほど気が抜けていたのだろう、
    普段はしないミスを犯した。

    「じゃ、僕達は聞いてないということにしようね。フラン。」
    「はい、そうしましょう。」
    ダニエルの隣で、フランソワーズは微笑んだ。
    緩く編んだ髪に施していたリボンが、窓からの風に靡いた。

    車は、小高い丘を目指して分岐する道を進む。

    しばらく振りのロックシティだったが、
    周りの風景は、この地に住んでいた頃と少しも変わっていない。
    そんな景色の中に居るだけで、
    幼い日々に戻って行くような気さえした。

    あの雑木林の向こうは――

     *
    車は、緩やかなカーブを登って行く。
    眼下には、ミューズレイの町並みが広がっている。

    ハンドルを切ったパトリシアが、学校の敷地に車を停めた。
    大きなトランクを彼が持って、残りの荷物をダニエルが持つ。

    「少し道を下るから、ついてきて。」
    彼らの後を、遅れないようにフランソワーズが続く。
    両手が塞がってエスコートできないダニエルは、
    彼女が遅れないように気遣っている。

    鬱蒼とした樹々の下の木洩れ日を浴びながら、
    石畳の道を、ゆっくりと進む。
    「あの屋根が見える所。あれが、僕の家だよ。」

    立ち止まって、フランソワーズは、確認して頷いた。

    先に進むと、もう先程の屋根は見えなくなって、
    古びた佇まいの小さな家が見えだした。

    いつの間にか姿が見えなくなっていたパトリシアが、
    引き返してきて、ダニエルの手から荷物を奪った。
    「ありがとう、パパ。フラン、行こう。」
    フランソワーズの手を取って、玄関先に駆け込む。

    「ただいま。」
    あの頃のように扉を開けた――

     *
    家の中は、樹の匂いがして、
    リビングも、ダイニングテーブルも、
    あの頃と変わっていない。

    「ダニエル、お帰りなさい。」
    「ミュラー先生、来てらしたんですか!?」
    「早く会いたくて、来ちゃったわ。随分大人びたわね。」

    抱きあって、この地方流の挨拶を交わす。

    「そちらは?」
    「僕の婚約者です。」
    「初めまして。フランソワーズ・シュクールです。
    フランと呼んでください。」

    フランソワーズは、膝を折ってお辞儀した。
    アンネットは、手を差し出して、挨拶をする。

    「初めまして。アンネット・ミュラーです。よろしくね。
    ー!?ーちょっと待って、シュクールってどこかで…
    ダニエルと同級で、ニコルって子が居たかしら。
    もしかして、遠い親戚とか言わないかしら?」

    「もしかしたら、兄の事かもしれませんわ。」
    「……もしかしたら?」

    二人の噛み合わない会話に、パトリシアが割り込む。
    「アンネット。もしかしないでも、兄妹だよ。
    彼女は、彼がこちらに居たことを知らなかったから。」
    「そう。その事は、後で伺うとして。
    よく来てくださったわ。ありがとう、私達のために。」


    --------------
    <ツブや記>
    前話をUPしてから、半年が経っていました(汗;
     下書きが上手く出来ないうちに、
     すっかりポンと、置き去りに。(アカンやん
    N本人の行く末が決定したのは、
     ダニエル君がしっかり者だったからです。(笑)
    で、書きたいと思いつつ書けてなかった部分が、
     書けていけたらいいな、と思ってます。
       超スローペースになりますが、
       気になってくださってる方が、もし
       いらっしゃれば、よろしくお願いします<(_ _)>  

    登場人物>>
     ダニエル・ゴードン
     フランソワーズ・シュクール
     パトリシア・パドン
     アンネット・ミュラー
    -----------------
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      | 2012.04.17 Tuesday |   ・// N // | comments(0) |

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        | 2020.02.06 Thursday | - | - |
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